この記事の解説内容
・ストックサイトでたまに起こる「まとめ買い」について
・まとめ買いを誘発するための戦略「ジャンルを絞って描く」とは?
・まとめ買いが起きやすいジャンルについて
今回はストックイラストに関するお話となります。
ストックイラスト活動を行っている方に質問ですが、売り上げの調子はいかがでしょうか?
ここ数年のストックサイト事情を振り返ってみると、2020年から浸透したニューノーマルの生活がきっかけで、ストックイラスト活動の人口数はかなり増えたような気がしています。
同業者が増えることはとても嬉しいことなのですが、その反面ストイラ人口が増えると、それらを購入する顧客の「パイ」を奪い合うような構図が出来上がってしまいます。これはどうしても避ける事が出来ません。
そのため、これからはストイラで戦略無しで普通の売り方をしていくのは、あまりおススメできません。
「数打ちゃ当たる戦法」で枚数だけこなすにも限界がありますので、特に「副業として続けていきたい」、「子育ての間にちょっとずつ投稿したい」といった併用運営していきたい方の場合は、戦略的に考えてストックイラストを作っていく必要があります。
そこで今回は、「ジャンルを絞って描くと恩恵あり?「まとめ買い」を狙うストイラ戦法について」ということで、ストックイラストの「まとめ買い」を狙う戦略方法についてお話したいと思います。
ストックサイトでの「まとめ買い」は、一度にまとまった報酬を受け取ることが出来る、テンションブチ上がり間違い無しの嬉しい事象です。
- ストックイラストも収入の一つとして育てていきたい
- 枚数を描くのには限度があるので、もっと戦略的に描いて売り上げを上げたい
- ジャンルを絞って描くと、どれくらいの効果と恩恵があるの?
などなど、ストックイラストに本腰を入れて取り組みたい方はぜひご覧ください!
もくじ
ストックイラストの「まとめ買い」って?

まずは、ストックイラストとストックイラストの「まとめ買い」について簡単に紹介します。
「ストックサイト」とは、「クリエイター」イラストを描いたり写真撮影し、それをあらかじめ専用のサイトに登録、それを購入者が必要なタイミングで購入し使用するサービスのことです。
転じて、イラストに関するストックサイトの話をする時の総称として、「ストックイラスト」という単語を用いている方が多いです。
ストックサイトには、たくさんのシチュエーションのイラストが用意されているので、「説明資料にちょっとした挿絵が欲しいな…」と思った時、新規でイラストレーターにイラストを頼むことなく、既に用意してあるイラストをサッ購入してすぐに使用することができます。
このストックイラストが購入されると売り上げが発生し、売り上げの何%かがクリエイターに報酬として支払われる…というのがストックサイトの特徴です。
その中でもストックイラストの「まとめ買い」というのは、文字通り投稿したイラストが数点、数十点一気にまとめ買いされる現象の事を指します。
この事象は、どちらかというと個人よりも会社&企業がまとめ買いをする頻度が多くなると思われますが、同じ時間帯にいきなり数十点購入される場面に出くわすと、クリエイターとしてはテンション急上昇になること間違いありません。
ただ、クリエイターのみんながみんなまとめ買いしてもらえるというわけではありません。まとめ買いをされるクリエイターの特徴というのが、「ある程度ジャンルを絞ったイラストを投稿している」人たちがまとめ買いされる傾向にあります。
例えば管理人の場合、現在7,000点以上のイラストを投稿していますが、その中でもおよそ600点ぐらいが介護に関連したイラストを投稿しています。
管理人もまとめ買いは頻繁に起こるほうではありませんが、こと介護ジャンル系イラストに関しては、一度に数点数十点のイラストを購入してくれる頻度が多く、一気に獲得クレジットが増える事もあります。
下記画像がストックサイト「PIXTA」で実際に購入された時の様子です。スクリーンショットのため画像が見にくいですが、同じ日に介護イラストが何十点も購入された日がありました(嬉)

ジャンルを絞って描いて投稿すると、そのジャンルのイラストを求めている人が「これも欲しい!」となってついで買いをしたり、「このクリエイターは○○のイラストを描く人なんだな」と自分=○○ジャンルを販売している人、といったように覚えてもらえるメリットがあります。
人物系、食べ物系、フレーム系、背景などをつまみ食いのようにちょっとずつ制作するよりだったら、まずは1つのジャンルに集中して投稿してみるのもいいのではないでしょうか?
ジャンルを絞って描く時期

次に、「ジャンルを絞って描く時期」についてアドバイスをしていきます。
こちらは特にストイラを始めて間もない方が気になる事かもしれませんが、基本的にはいつでも始めていいと思います。
登録したては人気どころのジャンルをかいつまんで描くのもよいですし、最初からジャンルを絞って描くのも良いかもしれません。
ただし知っておきたいのは、ストックサイトに投稿されているイラストの枚数は、今では飽和っているレベルじゃないほどかなりのイラストが投稿されています。
そんな中で、「とりあえず”笑っている人物イラスト”を上げておけばいいんじゃね?」的な感覚で投稿したとしても、既に活躍&著名なクリエイターのイラストに”パイ”を取られて、購入者の目にすら届かない可能性があります。
人物イラストというのは特に「絵柄」や「クリエイターが有名かどうか」によって購入率が大きく左右されるため、知名度皆無のイラストレーターが挑戦しても、そのイラストが日の目を見るにはかなりの時間がかかるかもしれません。
そう考えると、登録したての頃からジャンルを一つに絞って投稿していくことにより、ジャンルと自分をイコールさせ覚えてもらいやすくなり、購入される率が高くなると思われます。
まとめ買いされやすいジャンル

では、ここからは本題である「まとめ買いされやすいジャンル」についてピックアップしてみたいと思います。
もしかすると、既にある程度予測できるかもしれませんが、これがなぜまとめ買いされやすいのか?についての説明や、実際の管理人の体験談も交えながら紹介していきたいと思います。
学校・教育に関するイラスト

小学校、中学校などで使用されそうな「学校系イラスト」は、まとめ買いが頻繁に起こりやすいジャンルです。
学校では、プリント(授業向け、保護者向けプリントなど)や、ポスター制作といった作業がかかせません。これは、教員以外にPTA役員を務める保護者なども他人ごとではない作業です。
プリントをより分かりやすく&読みやすくするためにはイラストが欠かせませんが、このイラストを探すためにストックサイトを利用している方がかなり多いと聞いています。
そのため、授業、学校行事、お知らせ関係などの学校系イラストを投稿しておくことにより、「ちょうどこのことをみんなに伝えたかったんだよね!」となって、購入してもらえる頻度が高くなります。
このジャンルはどちらかというと無料ストックサイト(イラストACなど)での需要がかなり多いです。イラストACだと無料会員登録すれば無料でイラストをDLできるため、個人で制作する人にとっては大変重宝するサイトです。
医療、介護関係のイラスト

医療や介護関係のイラストもまとめ買いされる率が高いです。
医療&介護と聞くと、専門的な用語や知識なども必要になって、イラスト制作のハードルを感じるジャンルではありますが、逆手に取るとこの分野を描いているクリエイターが少ないため、自然とイラスト登録枚数も少なめです。
医療や介護関係で働いていた(働いている)イラストレーターでしたら、間違いなくおススメするジャンルです。
記事の冒頭では管理人の「介護系イラスト」に関するまとめ買い例を紹介しましたが、(本当にちょっとした知識しかありませんが)介護に関する知識が役に立ってイラストに描き起こすことができたものとなります。
管理人は介護の仕事経験こそ無いものの、以前介護系イラストを約400点近くクライアントに納品したことがあるります。その際に、現役の介護職員の方と直にやり取りして制作していったので、得た知識を利用してストイラに新しい介護系イラストを投稿したところ、見事に需要が噛み合った…ということになります。
スポーツ系のイラスト

こちらもまとめ買いが起きやすいジャンルです。使用頻度が高い場所をあげるとしたら、「東京オリンピック2020」に関することが記憶に新しいかもしれません。
現に、スポーツ系イラストに的を絞って描いていた人は、この期間でのスポーツ系イラストの購入頻度が上がっていたのではないでしょうか?
オリンピックに向けた広告やポスターを制作するため、開催中&開催の数年前から準備を行う企業が多いです。この期間は各ストックサイトでスポーツに関するストイラの販売率も良かったと思います。
2024年はパリが開催地ではありますが、これに関連して動く日本&海外の企業も多いと思われます。ちょうど今の時期に描いて投稿しておけば、需要が増えてくる時期にマッチするかもしれませんね。
美容系のイラスト

洗顔中、パック中、肌トラブルなどの美容系イラストもまとめ買い率は高いですが、投稿するストックサイトによっては購入される率が変動する可能性があります。
なぜかというと、ストックサイトによっては「美容系ストックイラストと言えばこの人だ!この人のイラストを使っていれば間違いない!」というような事もあり、そのクリエイターの作品が集中的に購入されている場合があるからです。
例を出すと、PIXTAで美容系のワード検索を行うと、いつも決まったクリエイターがおススメ表示で上位に食い込んでいます。ただ、他のストックサイトの場合(例えばAdobe Stock)では「美容系イラストといったらこの人!」というような象徴は無いように感じます。
ただし、時代と共に絵柄の流行も変わっていくのが理です。その絵柄にも必ず流行り廃りがありますので、「次は自分がストイラの美容系ジャンルを独占するぞ!」と挑戦をしてみるのも良いかもしれません。
人物イラスト

人物イラストに関してもまとめ買いが起こりやすいですが、この場合は人物イラストの中でも「ポーズ」や「表情」、「バストアップ」イラストなど、さらにジャンルを細分化し、狙いを定めて投稿した場合になります。
ただ、先ほどの美容イラストと同様、人物イラストについてもどうしても既に知名度のあるイラストレーターのイラストの購入率が高めになってしまいますが、これも時代は移り変わるものです。
人物イラストを描くのが得意!という方は、めげずに投稿し続ければいずれは日の目を見るかもしれません。
フレームとか装飾系のイラスト

今まではワンポイントやカット系寄りのジャンルを紹介しましたが、もちろん「フレーム系」や「装飾系」イラストについても需要が高いです。
人物写真の周りを賑やかにするために購入されたり、ワンポイント系イラストを盛り上げるために求めている方も多いです。
上記の「チョコレートイラスト」に関しては様々なバリエーションを制作していますが、主にバレンタインの季節に「チョコ単品イラスト」と一緒にまとめ買いされたことがあります。
イラレ等を使っての装飾系のイラストが得意!という方は、このジャンルに一転集中して投稿するのも良い戦略だと思います。
番外編
まとめ買いが起こりやすいジャンルは上記以外にもそれなりにあります。全部あげるとキリが無いのですが、管理人が投稿したイラストの中で最も「まとめ買い」が起きているのが「妖怪イラスト」になります。
水彩風でリアル寄りな絵柄なのですが、毎年夏になると必ずまとめ買いが起こるほど人気です。

これを察知してさらに妖怪イラストを投稿したところ、さらに勢いづいて販売率が上がったので、管理人と相性が良いジャンルなのかもしれませんね。
生き残りを見据えた戦略が必要

さて、ここまでは「まとめ買いされやすいジャンル」についてをご紹介しました。こんな感じで戦略を立てて投稿することによって、自分のイラストが購入される率が高くなるかもしれません。
ただ、再三お伝えしていますが、今の時代ストックサイトで売り上げを伸ばしたい場合、何も考えずにただ好きなだけイラストを描いて投稿するのは、「骨折り損のくたびれ儲け」になる可能性があります。
2020年からのニューノーマルな生活がきっかけで、ストックサイトへの投稿数にも拍車がかかっている状態です。そのため、現在はストックサイトに投稿されているイラストは、飽和に飽和しきっている状態です。
そのため、これからストックサイトも収入の一つとして頑張っていきたい方は、「ジャンルを絞って描く」などといった「生き残りを見据えた戦略」を考えて行動することが大事になってきます。
もしも、「イラストがどうしても売れない…!」という方は、目線を変えてイラストを利用した「ストックビデオ」を制作、投稿して頑張るという選択肢もあります。
- 動画編集を新しく学ぶことに抵抗が少ない
- イラスト×動画編集のスキルを掛け合わせていきたい
と考えている方については、下記の記事でストックビデオのあれこれを紹介していますので、こちらもご覧ください!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は「ジャンルを絞って描くと恩恵あり?「まとめ買い」を狙うストイラ戦法」についてをご紹介しました。
この先ストックイラストを大きな収入の一つとしていきたい場合、ある程度戦略を練ったイラスト投稿を考える必要があります。その中でも、まとまった売り上げが見込める「まとめ買い」を狙うためには、「ジャンルを絞って描く」事が大切になります。
まとめ買いが起こりやすいジャンルは以下の通りです。
- 学校・教育に関するイラスト
- 医療、介護関係のイラスト
- スポーツ系のイラスト
- 美容系のイラスト
- 人物イラスト
- フレームとか装飾系のイラスト
年々ストックサイトのクリエイター人口が増えてきており、ただ描いてただ投稿するだけではなかなか収入が見込めません。(自分の絵柄が利用者とかなりマッチしていない限り)
ジャンルを絞って描く戦法は割と実行しやすいので、これからストイラを始められる方、思ったよりも収入が上がらない方は、ぜひこの戦法をお試しください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!

