この記事では、以下のことについて解説しています。
●「ストックイラスト(人物)」を描くなら、まず何から描くべき?
●需要のあるイラストの調べ方
●人物イラスト素材を効率よく作ってみた(実践)
無印かげひと(@kage86kagen)です!
現在、私はイラストレーターを目指すため、会社の退職準備真っ只中です。
退職というのは一大イベント。退職前後は不安がつきまとうと言いますが、今一番悩んでいることは退職直後の無収入…。今から約1ヶ月半後に退職する予定ですが、その先の収入に関してはどうしても不安ですね。
そこで、退職後イラストレーターとしての仕事が軌道に乗るまでの間、少しでも不労所得になればと今年2月から始めたのが、記事のタイトルにもなっている「ストックイラスト」です。
「ストックイラスト」というのは、
- 自分が売りたいイラストをあらかじめサイトに登録しておき、
- それを見た購入者が「利用料」を支払って使用する
…といったサービス内容です。(一部のサイトでは「著作権譲渡」ありとなっている)
一度登録しておけばあとはイラストが勝手に稼いでくれるので、上手く利用すれば立派な不労所得になりうるサービスです。
このストックイラストについてですが、半年前からコツコツ作り続けたかいもあって、6ヶ月目で素材の登録数がもうすぐ1000枚を超えようとしています!
フルタイム勤務をしつつ、コンペに参加して自分をPRしつつ、ポートフォリオも準備する…。1日の半分以上が仕事で潰れている中、これだけの量を描いている人はそうそういないのではないでしょうか?
これほどの量を描けたのも、ひとえにストックイラストの先駆者さん達の教えのおかげです。先駆者さん達がストックイラストのアドバイスを公開してくれるおかげで、ストックイラストの作り方のコツを大分掴めてきました。
そこで今回は、「ストックイラストの効率的な作り方(人物編)」について、
- 自分なりの作業方法を紹介したり、
- 制作する時のネタ探し
などについてお話していきたいと思います!
もくじ
人物イラストは何から作るべき?

ストックイラストサイトには、「人物」、「食べもの」、「ビジネス関係」など、幅広いジャンルのイラストを登録しておくことができます。ただ、何でも登録できるのが仇となり、初心者が陥りやすいのが「まず何から描こうかな?」という悩みだと思われます。かく言う私もそうでした。
これは大前提の話になりますが、ストックイラストはイラストを必要としている利用者に使ってもらうために描くので、買い手が購入したくなるようなイラストを描かないといけません。
「自分は〇〇が好きだから○○しか描かない」というアート思考のまま描いたとしても、よほど知名度が広がっていない限りは購入されにくと思われます。
ですので、ストックイラストを描く大前提として、買い手の気持ちになってイラストを描く必要があります。
…では、買い手が必要とするイラストとは、どういったものを指すのでしょうか?参考になるヒントは、実は私たちの身近に存在します。
例えば、新聞に挟まっているスーパーのチラシ。その隅っこには、結構な確率で人物イラストが使用されている場合が多いです。
このように、イラストは本当に様々な場面で使用されています。イラストが活用されている媒体を見つけて観察してみれば、「ああ、このチラシにはこんなイラストが使われるんだ!」と発見できるはずです。
ストックイラストを始める場合、まずはよく使用されるシチュエーションの人物イラストを描いていけば間違いないでしょう。
次項からは、そんなイラストが必要とされる場面を知る方法をいくつか載せてみました。
必要とされるイラストを知るための方法
町中を歩く

町中をぶらぶら散歩していると、いろんなお店の看板や、ポスターなどを多く見かけると思います。
建物よりも高いところにある大きな看板、公園の注意書きが書いてある看板、飲食店のメニューを紹介するポスター···。あげだすとキリがありませんが、そんな看板やポスターにイラストは使用されていませんか?
これらの看板のイラストは、個人のイラストレーターに直々に頼み込む「特注」かと思いきや、以外にもストックイラストが使われている看板が多いです。まずは、そこに使われているシチュエーションを真似して描いてみるのもいいと思います。
パンフレット、チラシを見る
街で配られているビラ、オープンキャンパスの案内パンフレット···。これらもよく観察すると、人物イラストの使用頻度が意外と多いです。
オープンキャンパスのパンフレットであればは、新入生を募集する時期になると多くの大学が作り始めます。そう考えると、大学に関するイラストなんかも需要が高そうですね。
こういったイラストも特注せず、コストカット(時間短縮)のために既に出来上がっているイラスト、つまりはストックイラストから選ぶことも少なくありません。
こうしたチラシやパンフレットにも、ストックイラストの制作のヒントがつまっています。チラシは無料で貰える機会が多いですし、ストックイラストのネタ探しにもなる…。ストックイラスト制作をしている方にとっては嬉しい限りです。
ブログを覗く
企業ブログや個人ブログでも、多くのストックイラストが使用されています。
介護に関して記事を紹介しているとある企業では、長年同じストックイラストクリエイターのイラストを使い続けています。こうして目を付けてもらえれば、イラストの「大人買い」も夢ではありません。クリエイターとしてはウハウハです♪
自分の好きなジャンルからでもいいので、企業のHPやブログサイトなどを巡ってみましょう。個人ブログはどちらかというとフォトストックが使わているイメージですが、イラストの使用頻度も多いです。
100均を覗く
これは私がよく行っている方法です。ストックイラストは、100均の商品に予想以上に使用されています。
「これ、なんだか見たことある絵柄だな…」と思っていたら、PIXTAさんのクリエイターのイラストが使用されていたりとか…。そういった体験を何度もしました。
やはり、これも「外注コスト(予算も時間も両方)」を抑えるため、業者はストックサイトを活用しているのだと思われます。
100均で販売されているイラストのシチュエーションを参考にし、自分も同じ系統のイラストを描いてみるのもいいかもしれませんね。
- 衣類関係(靴下とか)
- おもちゃ
- 花火のパッケージ
などが多かったなぁ。他にもたくさんあるだろうけど、管理人がよく目にしたのは上記の商品だったよ。
実際に人物イラストを効率よく描いてみた
さて、本題である「人物イラストの効率的な作り方」に突入しますが、実際に例を出しながら人物素材イラストを効率よく大量に作ってみましょう。今回は例として、会社員の女性を題材に制作してみました。

まずは、上記のように「特に何の動きも表情も無い、基本のポーズ」を描きます。こちらのイラストさえ作ってしまえば、あとは必要な箇所をちょちょっと修正するだけで、様々なシチュエーションの素材を作ることが可能です。
また、ストックイラストを制作する時の個人的な心構えですが、
- 今現在流行っているトレンドカラーを使用した、シンプルな色使い
- 複雑な主線はあまり引かない
- パッと見で分かるような絵柄
…これらを心がけて、ストックイラストを制作しています。
ひとつのシチュから展開させてみよう
この基本ポーズイラストの表情や手の動き、持ち物をちょっと変えることによって、多彩なシチュエーションイラストを短時間で生み出すことができます。
顔と手の動き
ストックイラストを買うすべての購入者が、ニコニコ笑顔の人物イラストを求めているわけではありません。
例えば、「売り上げNo.1!」を表現するために、普通の笑顔以上にとびっきりな笑顔の人物イラスト」が欲しかったり、「こんなクレームがありました…」という悲しい事象を紹介するため、悲しい表情をした人物イラストを選んだりすることもあります。
表情の差分で購入のチャンスを逃さないためにも、一般的によく使われる「喜怒哀楽」の表情も登録しておきましょう。余裕があれば、「疑問を抱いている顔」や「困り顔」も作っておくといいかもしれません。
さらに余裕がある方は、腕の動きを付け加えることにで、「今何をしているの?」といったシチュエーションがより分かりやすいイラストになります。

持ち物を持たせてみる
上記のイラストに持ち物を持たせてバージョンも作ってみましょう。
持ち物を持たせると、表現したい、伝えたい内容が一目瞭然になります。

こうして描いていていくと、自然と素材がどんどん増えていきますね。
これらを、シチュエーションごとにサイトにアップするのもいいですが、私が取っているやり方は、複数のイラストを1枚のデータにまとめてそれを素材として登録していいます。
そうする理由としては、購入者目線で考えた時に「喜怒哀楽がセットになったこのデータさえあれば、今行っているプロジェクトやアップするブログ記事に使えるかもしれない」という、お得感を与えて購入してもらうのが魂胆です。
以下のイラストをセットとして制作する場合、さすがに作業時間がかかってしまいますが、手をかけた分購入もされやすくなるかもしれませんね。

「背景」を作っておけば2度おいしい
人物イラストの作り方を説明するついでに背景の話もしますが、あらかじめ背景素材を作っておくこともお勧めします。
そうすれば、
- 既存の人物イラストのバックを彩ることができて、手の込んだイラストに見える
- 背景単体で素材サイトに売り出すこともできる
上記ように一石二鳥を得ることができます。
例えば以下のイラストですが、こちらは、「縁日に出かける家族」ということで制作していました。

当初の予定だと「人物単体」のみで売り出す予定でしたが、より縁日っぽさを出すために、背景を後付けで制作しました。
背景を作ったことにより、
- 人物単体で投稿
- 背景のみで投稿
- 人物 + 背景 を組み合わせて投稿
…と、素材が「3枚」も投稿できることになります。
さらに、この「縁日背景」のデータを保存しておけば、また別の素材の背景にできるかも…!?
こうして背景イラストを上手く活用すれば、上記のような一石二鳥以上なことがおこるかもしれません。
セット形式で投稿する時の注意点
先ほど紹介した「表情シチュエーションセット」イラストの制作についてですが、個人的にはあまり詰め込み過ぎるのもよくないと思っています。

たくさんのイラストをセット販売することによりお得感があると思いがちですが、購入者が素材を探す時に表示される「サムネイル画面」の際、イラストが小さく表示されてしまう恐れがあります。
ストックイラストを探す時、購入者はイラストを一つずつ拡大して確認しているわけではありません。素早くいいイラストを見つけるため、「サムネイル画面」でざっと見る方が多いはずです。
そういったサムネイル対策のためにも、「セットイラスト」については、10点を超えないように売り出した方がいいでしょう。
ただ、「どうしても素材をたくさん詰め込みたい!」という方への策としては、下記イラストのように「基本バージョン」だけを大きく表示しておくのも手だと思います。
そうすれば、サムネイル画面でも多少見やすくなるかもしれません。

(一番左の「基本バージョン」だけ大きめにし、後は小さめに縮小する。)
単品であげるか、時間はかかるが「セット形式」であげるのか…。戦略は皆さんにお任せします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、ストックイラストのなかでも「人物イラスト」に焦点を当てて、効率的に作る方法を紹介していきました。
「どんな素材を作ればいいの?」と迷ってしまったら、日常生活に身近なチラシ、パンフレット、店の看板などを見てみることをお勧めします。そうすることにより、「こういったイラストに需要があるんだ!」と気づきを与えてくれます。
人物イラストを作り始める時は、まずは「基本のポーズ(直立不動、正面を見たポーズ)」を始めに作り、そこから「表情」や「手、腕の動き」、「持ち物」を持たせるなど「ちょっとした修正」を加えるだけで、様々なバリエーションを作るようにします。この制作方法でいけば、短時間でたくさん作ることができます。
私のイラストも、まだそんなにはダウンロードされていませんが、将来収入を支えてくれる不労所得にしていけるよう、これからもコツコツストックイラストを作っていこうと思います。
今回の記事が、ストックイラストを始めようとしている方の手助けになれば幸いです。ともに頑張っていきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!
ストックイラストを効率的に生産する方法[背景編]
