この記事の解説事項
●副業にぴったり?クラウドソーシングとは
●特に有名なクラウドソーシング5社の比較について
●各サイトのイラストサービスはどんな感じ?
●イラスト1枚につき、販売相場額はいくら?
無印かげひと(@kage86kagen)です!
イラストレーターや絵描きの皆さんに質問ですが、「クラウドソーシング」というサービスを利用したことはありますか?
クラウドソーシングの第一印象としては、「すき間時間で仕事ができる!」「副業にぴったり!」「イラストレーター成り立ての方にはおススメ!」といった意見をよく聞きますが、確かにこのご時世ではとても便利なサービスだと思います。
私もイラストレーターになってもうすぐ1周年を迎えますが、現在もお世話になっているサービスです。
クラウドソーシングサイトは、ココナラ以外にも多くのサイトが存在します。どのサイトで活動するかはよりどりみどりで選ぶことができますが、逆に新規でクラウドソーシングサイトに登録する方にとってはどんな違いがあるのか、はたまた「報酬の相場はどれくらいなのか」…といったところが気になるところ…。
そこで今回は、イラストレーターや絵描き向けのクラウドソーシングサイトを5社比較し、様々な利点についてご紹介したいと思います。
あくまで、「イラスト」サービスを提供するクリエイター側から見た「比較」をお届けします。イラストレーター、副業で絵を描きたい方、興味のある方はぜひご覧ください!
もくじ
クラウドソーシングとは?

クラウドソーシングとは、不特定多数の依頼者が、これまた不特定の受注者に仕事を発注する事を指します。(いわゆる「マッチングサイト」といいます)
普通の会社で仕事を発注する場合は、いつも依頼しているお得意先に発注するか、もしくは新しい取引先を開拓して依頼する…というのが一般的です。お得意先に依頼をする場合なら問題ないですが、新しい取引先を探す場合は、自らの足で相手先と調整したり、広大なネットの海からお眼鏡にかなった取引先を探したりなど、とにかく手間がかかってしまいます。
ですが、このクラウドソーシングというサービスを活用すれば、不特定多数の業者や個人に幅広く仕事を募ることができるため、発注先を探す手間を省くことができます。
似たような言葉に「アウトソーシング」というサービスがありますが、こちらは「特定の外部の会社に仕事を発注する」意味合いになりますので、既に決まっている会社に仕事を依頼する意味になります。
クラウドソーシングが盛り上がっている理由

クラウドソーシングサービスは、「仕事の発注」、「仕事の募集」、その後の「契約~納品」までほぼネット上で全て完結することができるため、とても手軽に行うことができます。(逆に、張り紙や雑誌などのアナログ方式でクラウドソーシングサービスを行っている会社があるのかな…?)
ネット上で完結できるため、ネット環境さえ整っていれば誰でも始めることができます。その手軽さから、「副業(複業)」としてクラウドソーシングを活用している方もたくさんいます。
正社員として働きつつ、帰宅したらクラウドソーシングサイトで副業を行う…といった働き方もあるようです。
クラウドソーシング5社を比較してみた

ただ、クラウドソーシングサイトはたくさんあるため、初めて登録する方にとっては「どこがいいのか分からない!」といった状況になることでしょう。
そこで今回は、「イラスト」を仕事としてクリエイター登録してみたい方向けに、「イラスト」サービスを扱っているクラウドソーシングサイト5社を選抜し、
- サイト内の雰囲気
- イラスト1枚あたりの販売額の相場
- そこから引かれる「手数料」
- 各サイトの利点&注意点
などなど…、上記について贔屓することなく紹介していこうと思います。ということで、ここからは本題であるクラウドソーシングサイトの比較をしていこうと思います。
今回紹介するサイトは、以下の5社になります。
- ココナラ
- クラウドワークス
- ランサーズ
- SKIMA
- つなぐ
有名どころな会社に加え、2021年5月に新たにリニューアルオープンした「つなぐ」についての感想も紹介していきます。
管理人は「ランサーズ」以外は全て登録したことがありますので、生の意見をお届けすることが可能です。ランサーズについては、利用者の意見や他の方のブログ記事、ネットニュースなどを参考にしながら紹介していこうと思います。
ココナラ
・開設日:2012年7月
・サイト内の雰囲気:ポップで親しみやすいデザイン
・イラスト1枚絵の販売相場価格:大体3,000円~20,000円
・サービス手数料:一律22%(2021年4月改訂)
おそらく、他のサービスに比べて知名度が高めなのが、この「ココナラ」です。2019年時点では会員数も130万人以上で、大規模なクラウドソーシングサイトとなっています。イラストはもちろんのこと、動画制作、料理のレッスン、果ては「占い」サービスも行っており、盛況しています。
イラスト販売にだけ視野を絞ると、特にやり取りされているイラストの内容は、
- イラスト1枚絵(書籍の表紙、同人誌の表紙など)
- 企業のポスター
- 個人的観賞用
など、多岐にわたってイラストが求められています。
イラストに関連したサービスだと、「Live2DでVtuberアバターの制作」、「YouTube動画の漫画」「MVアニメーションの制作」と言ったサービス内容も販売されています。
ココナラの運営側自らがクラウドソーシングの活用方法や稼ぐ方法などを紹介しているので、クラウドソーシングサイトを初めて利用する人にとっては、参入ハードルが比較的低めかもしれませんね。
●利点
・宣伝効果のおかげで認知度が高い
ココナラは宣伝や広告に力を入れているおかげもあって、クラウドソーシングサイトの中でも比較的知名度が高めだと思われます。ネット上での広告が結構すごいです。
逆に、他のクラウドソーシングサービスだと、テレビCMやネット上の広告はあまり見かけないような気がします。
・ランクアップ制度がある
ココナラでは「ランク制度」が設けられており、クリエイターの販売額により「レギュラー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ」と、ランクが段階的にアップしていきます。
プラチナまでたどり着くには、3ヶ月以内の売り上げが10万円以上(その他条件あり)にいかないと取得することができません。また、3ヶ月以内にランクの条件が満たせなかった場合、ランクの降格もあります。
プラチナランクのサービスを出品している割合は、全サービスの中でもわずか1%ほどしかないんだとか…。かなり信頼性のあるランクですが、プラチナランクへの到達&維持し続けるのは、想像以上に大変です。
発注者が依頼をする時は、例え意識をしなくても「ランク」で判断する場合が多いです。ランクが高ければ高いほど、発注側の目を引くことができるかもしれませんね。
●注意点
・外部サービスでの連絡は一切禁止
クラウドソーシングサイトの多くは、クラウドソーシング内で発生した取引について外部ツール(電話やDM、Twitter)での直接取引を禁止しています。
ココナラも例外ではなく、契約前や契約中に限らずココナラ内の「トークルーム(仕事のやり取りをするチャットルームみたいなもの)」で連絡先などのURLを貼り付け誘導を匂わせる行動を取ることも、規約によって禁止されています。
こういった規制の目的は、あくまでも「トラブルを防ぐ」とのことで行われています。しかし、これが悪い方向に転ぶこともあります。例えば、「ココナラ内で大規模な不具合が発生し、数時間ほどココナラが利用できない事態」…などが発生する場合です。
そうなってしまうと、ココナラに繋がらない=調整が滞ることに繋がるので、その時間帯に納品等の約束をしてしまった場合、依頼側のプロジェクトの進行の妨げとなってしまいます。
クリエイター側としては、障害に備えてメールやSNSリンク先を交換したいところですが、それをやるとぶっちゃけサイト側の儲けが減ってしまうので、悩ましい所ですね…。
[参考]
クラウドワークス:外部連絡するためには、クラウドワークスに「申請」が必要
ランサーズ:直接取引禁止(外部連絡は控えてくださいとのこと。)
SKIMA:直接取引禁止
つなぐ:外部連絡は禁止していない
・手数料が高い
こちらもクラウドソーシング全体に言えますが、システム維持と利益のため、クリエイターが販売したサービスの売り上げの一部を「手数料」としてサイトに徴収される制度があります。ココナラは他のサイトと比べると販売手数料が高めです。
システムを利用させてもらっている以上あまり文句は言えないかもしれませんが、それにしても高いものは高いですね…。
例えば、売り上げが1万円だった場合、そこから22%である「2,200円」が引かれるので、手取りは「7,800円」になります。
ちなみに、手数料は2021年4月12日に「一律22%」に改訂されました。以前は販売額ごとに手数料のパーセンテージが変動するタイプです。
1円~50,000円の販売の場合、手数料として27.5%徴収されていました。
現在のココナラの手数料は、他のクラウドソーシングサイトと比べると頭1つ分高いです。
おそらくですが、「広告費」に力を入れているため、その分徴収率も高いんじゃないかな…?と推測しています。
手数料は高いけど、サイトの認知度が高いので仕事が貰いやすい…。うまく活用していきたいところですね。
販売時の手数料について
トークルームの取引完了時に、各決済別お支払額に販売時の手数料22%をかけた額を差し引いて、報酬としてお支払いします。
なんといっても、ココナラ等に手数料を払う必要が無いため、お見積り金額を制作者がそのまま受け取ることができるからです。
もし私にイラストやMV制作をご希望する場合は、ココナラではなく直接DM等をお願いします!(宣伝)
●ココナラのまとめ
・ポップな雰囲気で利用しやすい
・何よりも認知度が高いので、販売者&購入者が多い
・手数料が高い
クラウドワークス
・開設日:2012年3月「β版」開始
・サイト内の雰囲気:かっちりしたビジネス向け
・イラスト1枚絵の販売相場価格:大体3,000円~20,000円ぐらい
・サービス手数料:5~20%
クラウドワークスは、ココナラと同じ時期にサービスを開始しました。会員数は、なんとココナラの倍である「300万人」を突破しています。(2019年現在)
先ほど紹介したココナラや、後述するSKIMAと比べると、サイト内の雰囲気は大分ビジネス寄りな感じとなっています。
また、お仕事を発注する側の比率ですが、見た感じだと個人:企業=1:1と言ったところでしょうか。企業からの発注が少ないココナラと比べると、クラウドワークスでは個人に限らず多くの会社がお仕事を頼んでいることが分かります。
●利点
・実績を積むと「スカウト」が来やすい
クラウドワークスでは、頻繁に「お仕事のスカウト」メールが届きます。発注者自らがクリエイターに頼み込むことも多く、”クラウドワークス運営側”からも、「こんなお仕事どうですか?」といったメッセージを定期的に送ってくれたりします。
お仕事の実績回数が低いうちでも頻繁に届くので、自分から仕事を探す時間を多少省くことができます。
・「コンペ形式」の発注の仕方もある
クラウドソーシングでは、「直接依頼」するか、発注者が「公開提案」し、それにクリエイターが提案をする…といった2通りの仕事の貰い方がありますが、クラウドワークスでは「コンペ形式」も行っております。(この形式は、他のクラウドソーシングにもあるが、ココナラには「コンペ形式」のサービスは無い。)
どういうことかというと、一般的なイラストコンテスト、キャラクターコンテストみたいな雰囲気です。
発注者側は、応募して欲しいイラストの内容を掲げ、制作者側はそれに沿った「完成データ」を提出する…という感じですね。こうして集まった作品の中から、発注者がどれか1つ(場合によっては複数)採用します。その後、採用したクリエイターに対し報酬を支払う…といった流れになります。
モノホンのコンペみたいでなかなか楽しいですが、選ばれなかった時の「時間のリスク」を考えると、こちらも利用どころが難しいですね。
●注意点
・単価の低い仕事も多い
クラウドワークスは有名な企業も発注しており、一見見積もり額が良心的なイメージがありますが、単価が低すぎる仕事を依頼する発注者も少なくありません。同じサービス内容でも、単価の差が激しかったりします。
例えば、「動画広告漫画を作成してほしい」という依頼内容に対し、
・フルカラー1ページにつき単価3,000円 という人もいれば、
・フルカラー1ぺージにつき単価500円…と掲示する方もいらっしゃいます。
さすがに「単価500円」を掲げている人はそうそういませんが、それでも全体的な相場が低いので、公募に飛びつく前には十分検討した方がいいでしょう。
・クライアントの報酬未払いも散見
これは私も実際にやられた体験談になりますが、「クライアントが報酬を支払うことなく、データだけ取られる」といった経験をしたことがあります。こういった体験は他の方も一度は味わったことがあるそうで、特にクラウドワークス内で頻繁に起こっているように感じました。
マナーが良い方が大半ですが、中にはこういった”ネコババ”をする方がいますので、細心の注意を払って取引を行うか、実際に報酬の不払いがあった場合はクラウドワークスの運営に通報しましょう。
特にクラウドワークスは、クライアントのマナーが雲泥の差ほどあるように思えます。クライアントの依頼内容、クライアントのプロフィールなどを材料に入念に判断し、契約を結ぶかどうかを決めて頂ければと思います。
●クラウドワークスのまとめ
・雰囲気はビジネス寄り
・サイト内は5社の中で最も見やすい
・単価が低いお仕事も散見される
ランサーズ

・開設日:2008年12月
・サイト内の雰囲気:挿し絵カットを使って分かりやすく表示
・イラスト1枚絵の販売相場価格:大体5,000円~50,000円ぐらい
・サービス手数料:5~20%
開設日が2008年であり、今回紹介するクラウドソーシングの中では一番歴史のあるサイトとなっています。ぱっと見、サイト内の雰囲気はクラウドワークスとよく似ていますが、幾分かこちらの方が親しみやすさを感じるような気がします。
イラストに関する仕事の募集は常に多めで、よりどりみどりで仕事を選べる印象があります。ただ、それに対するクリエイターの提案数も多いので、仕事の募集が上がったら早めに応募しないと勝算は低くなります。
また、ランサーズでは、「実際に利用している大手企業名」も表示されているため、サービスの信頼性が高い印象もあります。
●利点
・2018年度時点での満足度はNo.1
2018年度の記録になりますが、ランサーズは「オンライン仕事発注の運営歴最長」であり、顧客満足度がNo.1と表示されています。(※ランサーズ調べです)
大手企業も利用しているほどですから、よほどの信頼性があるみたいですね。
・初心者にも分かりやすい解説
クラウドソーシングサイトでの活動が初めての方でも分かりやすいように、解説やヘルプページは、全体的に分かりやすくなっています。「アイソメトリック図」を利用した挿し絵も多く、なかなか見やすいのではないでしょうか?
●注意点
・「単価が著しく低い」事で、過去にバッシングあり
先ほどの利点と矛盾しそうですが、ランサーズは単価が著しく低いことで過去に炎上を経験したことがあります。
現在の運営状況はかなり良くなっているそうですが、こういった過去もありましたので参考にして頂ければと思います。
「ランサーズ」はあれから何が変わったのか? ヨッピーが社長に直接突っ込んでみた
フリーランス総合支援プラットフォームを運営するランサーズは、サービス改善を続け、「徐々に発注者にも受注者にも良いサービスになってきている」とのこと。以前、ブログ記事でランサーズをボコボコに叩いたこともあるライターのヨッピーさんと、ランサーズの秋好陽介社長による、“因縁の対談”です。
引用元:はてなニュース(https://hatenanews.com/articles/2019/06/20/103000)
・「内閣府」と関与?
政治に関する話はあまりしたくはありませんが、ランサーズは過去に内閣府との関係を何度か指摘されています。話題になったのが、「政治関係者と会食」の話や「内閣府で使用するロゴマークをランサーズで募集していた」…などです。
安倍首相と会食のランサーズ HPに「25日時点で内閣府の文字があった」は誤り
インターネット上で、仕事を依頼したい企業と、受注したい個人を繋ぐクラウドソーシング事業を展開する「ランサーズ」が、HP上で主要取引先として記した「内閣府」の文字が2月25日の時点にはあったが、翌朝に削除を確認したとするTwitterの投稿が拡散している。
引用元:BuzzFeedNews(https://www.buzzfeed.com/jp/kensukeseya/tonoransazuhpni25denogattahari)
すごくニッチな話になってしまいますが、内閣府は主に「入札」や「企画競争」等で仕事を発注したりします。それがクラウドソーシングサイト内で仕事を募集すること自体、「ん?」と疑問にならざるを得ません。
しかし、これらは改善されているそうですので、登録の際の判断材料になればと思います。
●ランサーズのまとめ
・大手企業も利用している大規模なクラウドソーシングサイト
・イラストの募集数は常に多め
・過去に何度か炎上あり
SKIMA
・開設日:2015年
・サイト内の雰囲気:若者向けで、イラストサービスにかなり特化している
・イラスト1枚絵の販売相場価格:大体1,000円~30,000円ぐらい
・サービス手数料:11~22%
SKIMAは今まで紹介したサイトとはうってかわって、「イラスト」に特化したサービスとなっています。一応、「デザイン」や「文章(小説など)」、「占い相談」などのサービスも行われていますが、イラストの取引が圧倒的に多いです。
また、「かっちりビジネス向け」というよりは、どちらかというと10代~30代向けに受けそうなイラストを描くクリエイターがたくさん登録しています。若者向けのイラストを描かれる方にとっては、まさにうってつけのサイトかもしれませんね。
●利点
・マンガやアニメ系のイラストを描く方にとってはベスト
SKIMAはイラストに特化したクラウドソーシングサイトになっています。特にアニメや漫画系の絵柄で活動している方にとっては、ベストな活動場所になることでしょう。
また、「アニメーション制作」に関するサービスの販売や公募も頻繁に行われていますので、そちらの分野で活動されている方にもおススメです。
●注意点
・発注価格が低い
SKIMAKを利用している年齢層は、18~34歳ぐらいが全体の75%を占めています。それが関係しているかどうかは定かではありませんが、発注者側の値段が他のサイトよりも低めです。
アイコン1枚1,000円で募集がかけられていることもザラにあります。それに加えて、こういった提案に50人ほどのクリエイターが集まることも…。
・R-18、二次創作の応募も多い
SKIMAでは「R-18」作品や「版権元がある二次創作」などの募集も多くされています。特に気を付けて頂きたいのが「二次創作」の依頼ですが、こちらは後述で詳しく説明していきます。
●SKIMAのまとめ
・イラスト分野に特化したクラウドソーシングサイト
・特に10代~30代向けのアニメや漫画好きなどの絵柄を描く人におススメ
・利用している年齢層が低いため、イラスト相場額がかなり低め。
つなぐ
つなぐオープン致しました。
今後も定期的にアップデートを行い、さらなる機能の拡充を行っていきます。
皆様のご利用を心よりお待ちしております🤝https://t.co/jWnjt67IDl
— つなぐ@公式ツイッター (@tsunagu_cloud) May 18, 2021
・開設日:2021.05.19
・サイト内の雰囲気:現代風でシンプルで見やすいデザイン
・イラスト1枚絵の販売相場価格:500円~20,000円ぐらい
・サービス手数料:今のところ一律5.5%
「つなぐ」は、2021年5月19日にオープンしたばかりの新しいクラウドソーシングサイトです。つなぐは他のクラウドソーシングサイトとは大きく違い、クリエイター側に優しいサービス内容となっています。特に「初心者クリエイター」のために考えられたシステム内容が満載です。
そのため、サービス販売額が他のサイトと比べかなり低めです。その反面、サービス手数料が「一律5.5%」のため、圧倒的な低手数料も特徴的です。
2021年5月にオープンしたばかりのサイトですので、募集案件はまだまだ少ないですが今後の発展に期待を寄せています。
●利点
・手数料が圧倒的に安い
つなぐでは、徴収される手数料が5.5%とかなりの低価格となっています。他のサイトと比べても圧倒的に安いため、クリエイター側にとってはとても嬉しいですね。
・外部サービスでの連絡OK
こちらも他のサイトと大きく異なる部分ですが、「外部サービス(SNSやDM)での連絡OK」となっています。
ただし、「セキュリティ上の観点」から「他サービスでの連絡手段を推奨していない」と記述してあります。トラブルを避けるため、なるべく「つなぐ」内のトークルームで調整を行ったほうが良さそうですね。
●注意点
・オープンしたてなのでまだまだ未知数
つなぐは出来立てほやほやのクラウドソーシングです。どれくらいの良さがあるのか、はたまた注意点などについては、現時点では未知数です。これに関しては、ある程度年月を重ねないとデータが見えてこないと思われます。
・参入が遅めなので、依頼者が圧倒的に少ない
こちらも現時点ではなんとも言えませんが、他社と比べるとクラウドソーシングサービスへの参入が遅めなので、現時点では発注者がかなり少なめです。
ただ、オープンしてから既に20件ほど契約が成立しているみたいですね。
つなぐリリースから3日が経ち、おかげさまで既に20件ほど取引が成立しています🎉
成立者の多くがツイートで依頼募集されています。
依頼者をこれから探される方、募集ツイートをトライしてみて下さい🐖#イラスト依頼 #駆け出しのエンジニアと繋がりたい #webライター https://t.co/jGf6sBlvqL— つなぐ@クラウドソーシング運営者 (@web_pig) May 22, 2021
まだまだ未知数である「つなぐ」ですが、初心者クリエイターにとって仕事がしやすい場所となっていますので、こちらもおススメです。
●つなぐのまとめ
・今年オープンしたばかりのクラウドソーシングサイト
・手数料が他社に比べて圧倒的に低い(一律5.5%)
・オープンしたばかりなので、現時点では依頼者が少ない状態。
全体的に言えること

各サイトを細かく紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか?サイト1つとっても、規約や相場、手数料に差があることが分かっていただけたと思います。
記事も終盤にはなりますが、ここでクラウドソーシングサイト全体に言える注意点等をお伝えしたいと思います。
現在は クリエイター>>>発注者 の状態
2020年から新型コロナウイルスの影響でリモートワークが加速したことにより、現在はどのサイトでも「供給>>>案件」といった状況になっています。もはや、仕事の奪い合い状態です。
そうなってくると、今から新規でクリエイター登録をする方にとっては、相当厳しいことになるでしょう。
新規登録したばかりのクリエイターに対し、サイト内での立ち回りについてアドバイスするならば、最初はとにかく公募案件から仕事を探し、少しずつ実績を積み立てていくしかありません。私も登録したての頃は、1日4~5件の公募に提案し、およそ2週間後に初めて仕事を獲得した…という経験があります。
得てしてそういうものですので、一番初めはこちらから継続的に仕事を求めていくしかありません…。
二次創作の依頼には要注意
クラウドソーシングサイト内では、二次創作についてのやり取りも頻繁にされています。例えば、「鬼滅の刃の○○くんを描いて!」や「プリンセスコネクトの○○をグッズにしたいので、1枚絵を描いて!」などと言った案件です。
クリエイターならご存じかもしれませんが、「二次創作」は版権元が「二次創作OK、商用OK」の許可をしない限り、二次創作を利用した事業は禁止されています。公式で公言されていないにもかかわらず、SNS等ではこういった二次創作が盛んに行われているのが現状です。(「著作権侵害」という立派な犯罪になります)
(著作権侵害は「親告罪」といって、被害者からの告訴がなければ起訴することができない、起訴されない犯罪です。要するに「黙認」している状態です。)
…とは言いつつも、「二次創作を完全に認めていない」と公言している版権元は現在も多いです。例をあげると、ガンダムやコードギアスで有名な「株式会社サンライズ」は、二次創作物をインターネット上で公開することを禁止と公言しています。
インターネット上でのサンライズ作品のコンテンツ(文章・画像・音声・映像等)について
インターネット上では「非営利目的」や「個人のWebサイト」の場合でも、使用頂けません。
「営利を目的としていないから」「個人のWebサイトだから」といった理由でのお問い合わせがありますが、このような場合でもご使用頂けません。インターネットの特性上、「私的に使用する」ということはありえず「複製・配布」と同義ということになりますので、画像はご使用頂けません。引用元:サンライズ(https://www.sunrise-inc.co.jp/policy/copyright.php)
趣味で描いている人ならまだしも、プロのイラストレーターはこういった二次創作関連の案件に手を出さない方が無難です。もしくは、公式が許可を出している版権作品のみ引き受けた方がいいでしょう。
ちなみに、私もTwitter上でたまにファンアートを投稿していますが、それらは全て版権元で「二次創作OK」とうたっているものだけ投稿しています。版権物を扱う方は十分にご注意ください。
土下座事件も今や昔……安室透効果で人気の『名探偵コナン』公式の優しさも広がる一方
『名探偵コナン』の同人誌は公式には絶対に知られてはならないと、ファンの間で認識されていたのは2005年に発生した「土下座事件」が発端。ある同人誌サークルが小学館側から著作権侵害であると内容証明を送付され、損害賠償を支払うという事件があったためだ。
引用元:exciteニュース(https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201806_post_166268/)
最終目的は「卒業」すること

クラウドソーシングサイトでの報酬額は、イラスト界の相場と比べて低いです。この先、イラストレーターとして長期的に活動していくのであれば、クラウドソーシングばかりに頼っていては身がもちません。
下記の引用は「クラウドソーシングでの労働時間や収入」についてに調査結果をまとめた記事になります。調査内容は「イラスト」に注目したものでは無くオールジャンルにはなりますが、やはり労働時間に対しての報酬金額が低めです…。
クラウドソーシングで実際にいくら稼げるのか?
今回の調査で、47.6%の人が1ヵ月の収入が1万円以下と回答しております。
また、この金額を稼ぐのに週平均3.98時間~7.86時間の労働を行っているという事が分かりました。
引用元:英語学習ひろば「副業で人気なクラウドソーシングの実態。利用者500人を対象に調査」(https://hitononayami.com/crowdsourcing-survey/)
イラストレーター成り立ての場合、仕事の実績を積み立てるためにクラウドソーシングサイトを活用することは、大いにありだと思います。ただ、クラウドソーシングからの報酬だけで生計を目指していくのではなく、行く行くはクラウドソーシングに頼らない「クライアントワーク」中心の仕事ができるように目標をたてるべきです。
クラウドソーシングにクリエイター登録する際は、その時点から「卒業」の時期を見定めておいた方がいいかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は「クラウドソーシング(イラストサービスのみ)」を5社比較してみましたが、参考になりましたでしょうか?
サービス内容は似たような感じですが、細かく見ていくと「サイト内の雰囲気」、「利用者数」、「イラストの相場額」、「販売手数料」など、各サイトで異なることが分かりました。
ただ、どのサイトも共通して言えることは、人口比率が「クリエイター>>発注者」となっています。2020年以降はクリエイターの増加に拍車がかかり、もはや「仕事の取り合い」が起きている状態です。
今から新規登録する方にとっては厳しい戦いにはなっていきますが、まずは「公募提案」にガンガン応募して、実績を積み上げることが大事ですです。しかし、かといってクラウドソーシング頼りの生計にはならないように、最初から「卒業」することを目標に立ててクラウドソーシング活動をすることをおススメします。
クラウドソーシングでイラスト業を行う方は、ぜひご参考ください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!
P.S 料金の比較を表でまとめてみました。
サイト名 | 販売相場額(おおよそ) | 販売手数料 |
ココナラ | 5,000円~20,000円 | 一律22% |
クラウドワークス | 3,000円~20,000円 | 5~20% |
ランサーズ | 5,000円~50,000円 | 5~20% |
SKIMA | 1,000円~30,000円 | 11~22% |
つなぐ | 500円~20,000円 | 一律5.5% |