こんにちは!無印かげひと(@kage86kagen)です!
あけましておめでとうございます!今年もイラストやフリーランスについての記事をたくさん上げていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!
さっそくですが、皆さんはブログのタイトルにもある「動画広告マンガ」をご存じでしょうか?
動画サイトを眺めていると結構な頻度で見かけると思います。2019年頃から急増しているため、今の時代、動画広告マンガ制作はそれなりに需要があるのではと思っています。
しかし、賑わっている水面下、描き手である漫画家やイラストレーターの制作の裏側の実態は…!?
ということで、本日は、駆け出しイラストレーター&漫画家&その他クリエイター向け、「動画広告マンガ」の製作の実態と、報酬やらなんやらの話をしていこうと思います。
「動画広告マンガ」とは?
そもそも、この「動画広告マンガ」とはなんでしょうか?
そのまんまの意味ですが、動画サイトなどで漫画を流し、企業の宣伝、採用活動、企業活動行う、マーケティング(商売)の事を指します。
近年では、「YouTube」などの動画サイトで見かけることが非常に多いです。
好きな動画を見ている最中に入ってくる企業の広告でマンガが使われていたり、漫画そのものを1本の動画としてアップされていたりなどなど…。
実は私も、動画漫画を3作品ほど作成したことがあります。

上記のイラストは、クラウドソーシングの公開提案の際、相手方から「試作品」を依頼されたので、その際に作成した1枚です。
残念ながら「審査落ち」してしまったので、セリフ、人物、色合いを変更して載せています。
この「審査」については、後ほど説明します。
動画で広告する会社等が急増
漫画は日本にとって昔から親しみのあるコンテンツであり、漫画が好きな人も大勢います。
そんなお客さんに見てもらいやすくするため、「漫画」という手段で宣伝する企業もたくさんあります。
例えば数年前にから流行っている、「高校生が〇〇(哲学者等の名前)の本を読んでみた」…みたいな書籍なんかが、まさにそうですね。
認知が無い哲学者の書籍でも、上記のように「漫画のようなイラスト」を表紙にするだけで、特に若い人が興味を持って購入しやすくなったりします。
それと同じことで、ただ活字を流すよりも情報量が何倍もある「漫画動画」を流せば、多くの視聴者が動画を閲覧し、結果的に売り上げに繋がることになります。
そう聞くと、結構重要視されているコンテンツではないでしょうか?
1作品でいくらぐらい貰えるの?
では、皆さんが気になる「お金」の話に入ります。
ぶっちゃけ、「動画広告漫画」を1本描くと、どれぐらいの報酬を貰えることができるのでしょうか?1枚あたりの単価はいくら…?
ということで、漫画制作を依頼する相手ごとによる相場を、ざっくりとまとめてみました。
(今回は「シナリオ構想」や「動画制作」を抜きにした、「漫画制作」のみの報酬に焦点を当てています。)
1ページあたり、
①制作会社(いわゆるプロ):約40,000円~100,000円
②有名な漫画家など:約20,000円~100,000円
③個人依頼(DMなどで直に依頼する時):約15,000円~50,000円
④クラウドソーシング:約1,000円~4,000円
比較すると、
会社 > 漫画家 > 個人依頼 > クラウドソーシング
…といったところでしょうか。(会社同士のピンキリも結構あります。)
会社に頼むと必然と高くなるのは仕方ありません。プロですからね。
漫画家も同様です。
個人依頼、特にSNS上でインフルエンサーになりそうなクリエイターに、「動画広告マンガ」を依頼されている方もいらっしゃいます。
それと比べても、1枚あたりの単価が低いのが、「クラウドソーシング」を介しての依頼です。
クラウドソーシングでの受注は要注意!
いえいえ、クラウドソーシングで仕事を受けた場合は、実際に「1,000円」もらえるわけではありません…。
残念ながら、喜ばしい話ではありません。
「クラウドソーシング」は、「発注したい人」と「受注したい人」をインターネット上でマッチングしてくれる、新しくて便利なお仕事形態ではありますが、
そのなる仲介人のクラウドソーシング会社には、「手数料」を支払わないといけません。
クラウドソーシング会社にもよりますが、1契約10万円以下のお仕事だと、大体15~25%の手数料が報酬から差っ引かれます。
例を表すと、
・1ページ1,000円の動画広告漫画の仕事を受けました。
・30ページの依頼ということで、依頼者側は「30,000円」を提示しました。
(「シナリオ構想」や「動画制作」を抜きにした場合)
↓
仕事完遂後、この「30,000円」から「クラウドソーシング会社」への手数料(20%とします)が取られるので
実際の手取りは 30,000円 - 20%(6,000円) =24,000円 となります。
皆さんはこの手取り収入を見て、「多い」「少ない」、どちらの印象を持たれましたか?
クラウドソーシングでの依頼はぶっちゃけ損
これからクラウドソーシングに登録し、「動画広告マンガ」の仕事を請け負おうと考えているクリエイターさんにアドバイスですが、
ぶっちゃけ、「動画広告漫画はクラウドソーシングで受注しない」方が得策です。
実際に作成してみれば分かりますが、作成時間に対する報酬が安すぎます…。
私もこれまで3回ほど動画広告漫画を作成してきましたが、30ページ(もちろん全部カラー)の漫画を作成しようとすると、ちょっと手慣れている方でも、完成まで最短で5日,6日はかかります。
1ヶ月の収入を全て「動画広告漫画」で成り立たせるとして、単純計算でいくと1ヶ月に5作品は作成できる。
先ほどの値段で例えると、
30ページ1作品を24,000円 × 5本 = 1ヶ月に 122,500円しか頂くことができません。
著作権はほぼ「譲渡」だと思ってもいい
さらに、依頼者のほとんどは「著作権譲渡」を希望してきます。
自分で加工しやすくするためだったり、動画以外の媒体にも使用したい「二次利用」を気軽に行いたいためでしょう。
イラストレーター業界の相場だと、「著作権譲渡」料として、納品物の約5倍以上の見積もりをプラスします。
さらに、著作権譲渡したイラストは、例え自分が描いた作品であっても、勝手にSNSに載せたりすることもできなくなります。
上記の理由のため、著作権譲渡をするときはより多く報酬を貰わないと自分が損するだけです。
(なので、むやみやたらに「著作権譲渡」をすることはおススメしません。詳しくは、以下の書籍を読まれると分かりやすいと思います。)
話を戻しますね。
この「著作権譲渡」についてですが、クラウドソーシングを通して動画広告マンガを作成する時、ほとんどの依頼者は「著作権譲渡」を要求します。
30ページ「24,000円」とすると、著作権譲渡の場合はそれ以上貰えてもいいはずですが、ほとんどの場合この「24,000円」に著作権譲渡料が入っています。
ですので、著作権譲渡であっても「24,000円」が報酬です。
もちろんメリットも存在する
漫画を制作するクリエイターにとっては「負」のイメージしかない文脈でしたが、もちろんメリットは存在します。
仕事を貰いやすい
クラウドソーシングでは、毎日何件~何十件もの「動画広告マンガ」公開提案が出てきます。
それゆえに、応募すれば意外と簡単に「契約」に持ち運ぶことが可能です。
依頼者のイメージに合う「絵柄」に合わせて描くことができれば、すんなりとOKをもらえることでしょう。

しかし、取引先の方から聞いた話だと、最近は途中で投げ出してしまうクリエイターさんも多いようで、契約する前の「信用の見極め」が必要のため「審査」をする依頼者もいます。
冒頭でちょっと出た「審査」とはまさにこのことで、今回の場合は「あるストーリーの1コマだけ、お試しで作ってください」…とのことでした。
依頼者の多くは、「試作品」ということですので、試作品への報酬は支払われないことが多いです。
早く描く練習になる
依頼側にもよりますが、大体の方は「1~2週間以内に納品」を指定してきます。1週間の場合だと、漫画制作に慣れていない人だと少々厳しいです。
しかし、これをポジティブに考えれば、「早く描く練習」になるのではないでしょうか?
先ほど私が制作したマンガを30ページ1週間で描ければ、制作スピードは結構速い部類になると思います。
イラストを早く描ける = 多くの仕事をまわしていける 事に繋がりますので、これもメリットの一つと言えるでしょう。
条件が悪くても「動画広告漫画」を仕事にする場合
ここまで「動画広告マンガ」制作についていろいろお話をしてきました。
あくまでも、「依頼側(クラウドソーシングから)」と「漫画制作側」を平等に見た結果、制作側にとって条件が悪いことが多いので、そうお伝えします。
イラスト制作を副業としている方にとっては、それなりに副収入になるかもしれません。
しかし、「イラストレーター」単体で活動されている方となると、収入の当てにはできない厳しい仕事となるでしょう。
それでも、経験や収入の一環として「動画広告マンガ」を制作する方は、以下の点を考慮して制作するといいかもしれません。
単価に見合った描き込み量にする
1枚「1,000円」なのに、「ソーシャルゲームのようなきらっきらな絵柄で描いてくれ」と言われたらどう思うでしょうか?それを30枚作成となると、描き手の製作に割に合わない単価だと思います。
ですので、単価に合わせた「描き込み量」に調整することをおススメします。
上記の漫画は、「影」、「ぼかし」、「光」の描写を入れ込んでいますが、上記の描き方で「1,000円」は安い…かな?と思います。
依頼側が「1,000円でソシャゲ風」を頑として推すのであれば、あまりにも割に合いませんので、こちら側からリコメンドするか、その依頼を辞退された方が自分のためになります。
「すぐ描けるから対価が低くても文句ないだろ」っていうような依頼者も少なくない。
描き手の苦労が分からない依頼者とは付き合わないほうがいいよ。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、近年需要がありそうな「動画広告マンガ」についてご紹介しました。
全体を通してみると、(クラウドソーシングから)動画広告マンガ制作依頼にマイナスイメージがあるような伝え方をしてしまいましたが、良いとこも悪いとこもあります。
実際、私も今月の収入がピンチの場合は、すぐに契約してもらいやすい「動画広告マンガ」のお仕事を頂いて収入の一つとしている月もあります。
動画広告マンガを作成する時は、
・1枚あたりの単価
・著作権について
・自分の製作能力と納期が釣り合うかどうか
これらを特に注意してください。
趣味で漫画を描いている方であっても、クラウドソーシングの公開提案に応募すれば、割とすぐに制作依頼を貰えることが多いです。
手空きであれば、ぜひともチャレンジしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!