NFT

世界最大のNFT展示会「PROJECT EMOTION」に参加してみた

この記事の解説事項

●世界最大のNFT展示会「PROJECT EMOTION」とは?
●実際にNFT販売を体験してみた感想
●日本のトレンド急上昇の「NFT」の盛り上がりは?
●イラスト界隈×NFTの今後の課題について

かげひと
かげひと
こんにちは!イラストレーター
無印かげひと(@kage86kagen)です!

先日は、「イラストレーターを救うと言われているNFT」について、超簡略的に説明しましたが、今回の記事はそれに関連したイベントの体験報告となります。

2021年の5月1日~5日のGW期間中、世界最大のNFTアート展示会PROJECT EMOTION」というイベントに、私も参加させていただきました!

NFTについて日本国内で盛り上がっている最中、今回のイベントはイラストレーター&絵描きにとってどのような結果を得ることができたのでしょうか?

ということで今回の記事は、「世界最大規模のNFTアート展示会PROJECT EMOTIONの内容と結果」について、5日間ほど張り込み調査した管理人の見解を報告したいと思います。

  • NFTアート展示会って、どんな内容なの?
  • 盛り上がった?
  • 売り上げはあった?

などについて、参加者の立場から説明していきたいと思います。

NFTとは?

まずはNFTについてですが、前回の記事を抜粋しながら少しおさらいをしようと思います。

NFTとは、「Non-Fungible Token非代替性トークン」の略称で、デジタル用語の一種になります。

デジタルイラストは、今までコピー改ざんが容易にされてきましたが、NFTという「シリアルナンバー付き証明書」みたいな物をデータに刷り込むことによって、そのデータを唯一無二のデジタルデータ(世界でただ一つだけのデータ)にすることができます。

例えると、有名な絵画「モナリザ」は、世界中にコピー品や贋作品がごまんと溢れていますが、作者である「レオナルド・ダ・ヴィンチ」直筆で描かれた本物のモナリザの絵は、世界で1枚しかありません。

要するに、「これが本物のモナリザですよ!」という証明ができるようになる…ということです。

NFTが付けられたデータは、デジタル上で販売できたりオークションにかけたり買ったNFTを他人に販売する二次販売も可能になります。もちろん、デジタル上で鑑賞することも可能です。

ワインさん
ワインさん
現在、デジタル上では美術館も建てることができるそうで、コレクターなどは、購入したイラストをデジタル美術館に展示しているんだとか…。
コーヒーさん
コーヒーさん
美術館には客も招くことができるらしいね。「この絵は俺だけのものなんだぜ!」と自慢もできるってことかな。

NFTアート展示会「PROJECT EMOTION」とは?

さて、本題である「プロエモ」への体験談や感想を述べていこうと思います。

PROJECT EMOTION」(略して「プロエモ」)とは、株式会社NOKIDを中心に企画された大規模なデジタル上での展示会です。話題沸騰中のNFTと日本のイラストを掛け合わせて、日本のイラストカルチャーを盛り上げるために行われた企画です。

コーヒーさん
コーヒーさん
デジタル上で展覧会が行われるなんて、まさに時代の最先端って感じがするね。

このイベントの開催内容についてですが、

  • 誰でも気軽に参加可能(ただし、事前応募制)
  • イラスト、もしくは動画作品を応募することができる
  • 応募されたデータを、企画元がNFT化してくれる
  • 展示会当日、YouTube内で「360°VRギャラリー内」機能で作品が展示される
  • NFTを販売するプラットフォームで、展示している作品を購入することが出来る

…といった内容が行われました。NFT化に際しての敷居ハードルがまだまだ高い中、NFT化を代行して頂けるのはとてもありがたいことです。これを機に、「NFTは誰でもできる」ということが分かるきっかけになればと思います。

かげひと
かげひと
とは言いつつ、NFT化する時の手数料はお高めですが。

この企画に応募された作品は、イラストと動画を合わせてなんと「1700点以上」の作品が応募されました!企画はTwitterを中心に宣伝されていたため、かなりの応募者が集まったようですね。

中には、イラスト界の最前線で活躍されている有名なイラストレーターも多数参加していました。

かげひと
かげひと
ちなみにこの企画は無料で参加できますが、販売された時の売り上げの20%手数料として、企画元に徴収されます。
ワインさん
ワインさん
自分でNFTを発行する時は、それなりの手順を踏まないといけません。また、NFT化する時の取引手数料として「GAS代」という料金も”プラットフォーム”に支払わなければいけないので、企画元に徴収される手数料は妥当と思われます。

販売元は2種類

NFTを販売する時には、当然「プラットフォーム(販売元、お店みたいな感じ)」が必要にないります。こちらのプラットフォームも、企画元が事前に選んだ場所で販売手続きをしてくれました。

今回て選ばれたのは、「OpenSea」と「NFT Studio」という2つのプラットフォームでした。OpenSeaはニューヨーク発、NFT Studioは日本発のプラットフォームになります。

かげひと
かげひと
OpenSeaの方が老舗のプラットフォームになります。

この2つのプラットフォームのサービス内容や機能には、特に大きな差はありません。このプラットフォームでは「販売方法」を決める事ができ、「固定額で販売する」か、「オークション方式で販売」するかを選ぶことができますが、今回は便宜上なのか、

  • オークション方式で販売希望する人は、OpenSea
  • 固定額で販売希望する人は、NFT Studio

といったように、販売方法によってプラットフォームが指定されていました。企画元のかなりの柔軟対応に感謝です。

今回、私はオークション方式で販売する「OpeanSea」一択で応募しました。

管理人が応募したイラスト

さて、今回私が応募したイラストは全部で3点となります。

かげひと
かげひと
NFTの利用者は海外勢が多いので、どちらかというと海外向けをターゲットにした彩度が高めの3作品をチョイスしました。ちなみに、どれも過去に制作したイラストになります。

前回の記事注意点でも書いていましたが、NFTに関する法規制は、現在進行形で整備中です。今のところ、NFT界隈全体では著作権は譲渡しないと表記されており、なおかつ今回のイベントでも「著作権はクリエイターに帰属。商用も不可。」とされていました。

ですが、予想外の事態が起こる可能性も無きにしも非ずなので、今回選出したイラストは、

  • 完全オリジナルのイラスト
  • 他の方に提供していない仕事上でも提供していないイラスト
  • 言葉が悪いけど、”どうなっても大丈夫”なイラスト

これらを踏まえた上で、イラストを選出してみました。

盛況はどんな感じ?

こうして、2021年5月1日からプロエモが開催することになります。

開催当日は、YouTubeの動画で「応募されたすべてのイラスト」を確認することができました。しかも、YouTubeを画面を触ることができ、周りを360°見渡すことができる「パノラマ動画」で展開されていました!これがかの有名な「VR」というものでしょうか?

コーヒーさん
コーヒーさん
なにそれすごい!VRゴーグルを装着せずに画面内を見渡せるんだね!すごい技術!

ちなみに、私のイラストが展示されている様子はこんな感じでした。(スクショで画面が荒くなっちゃいました)こうして並べてもらえると、感動もひとしおですね。

さて、プロエモの盛り上がりについてですが、5月1日初日にはTwitter上で一時トレンド入りするほどの盛況っぷり。かなりの期待が寄せられている事が分かります。

かげひと
かげひと
これは、参加したクリエイターが一斉に宣伝したことも理由と思われます。

今回のイベントの盛り上がりと結果についていち早く知りたかったので、管理人は開催期間の5日間ネットに張り付いて観察することにしました。

決して「GWは暇だから」という理由ではありません。なんならGWもずっとお仕事をしておりましのであしからず…。

コーヒーさん
コーヒーさん
”イラスト”に関係する話やイベントは、なんでも興味が湧いゃう性だもんね。

5月1日

イベント期間中は他のクリエイターの作品の状況についても確認することが出来ましたので、

  • 作品の閲覧数
  • 各プラットフォームでの売り上げの発生状況

などといった要素について、毎日ランダムで選んだ作品を覗いてみることにしました。

初日はこれといって特に無し。各作品の閲覧者数もまだ1桁台でした。

日本国内を中心に名が売れている有名なイラストレーターも複数参加されていましたが、こちらのイラストも逐一確認してみました。やはり有名なだけあって、閲覧者は一般の方よりも多かったです。

ただ、この日は有名イラストレーターの作品でも「販売実績」や「競売」などは発生していなかったように思えます。

ちなみに、私のイラスト3点の閲覧者は平均で3~4名ほどでした。

そんな中、公式TwitterからはNFT Studioにおいてさっそく購入されたとの発表が!

NFT Studioは定価での販売(今回のイベントでは)になりますので、オークション形式とは違い、逐一購入発表できるというのはとてもモチベーションがあがりますよね。

5月2日

開催2日目。公式Twitterの報告によると、初日はNFT Studioにて複数の作品が購入されたとの発表がありました。中には10万円で購入された作品もあるんだとか…。

人気のイラストレーターはもう品切れなんだろうな、と思って覗いてみると、まだ販売が多めでした。1つの作品の平均的な閲覧者数は5~50名ほど。さすがに1700点以上ともなると、購入者は目移りしてしまうのでしょうね。

5月3日

プロエモ3日目。この日もNFT Studio内での売り上げが公開されていました。販売額がすごいです!とても夢がありますね。

5月5日

4日をとんで、プロエモ最終日。本来であればこの日が展示会&販売の最終日ではありましたが、好評につき展示会は5月9日まで延長されることになりました。

ただし、Open Seaでの販売は予定通りこの日が最終日で、NFT Studioでは販売日が延長され5月9日となりました。

かげひと
かげひと
延期された理由については、「NFT Studio販売でのトラブル」が起きたみたいですが、詳しい内容については今のところ公表されていません。

結果的にですが、残念ながら管理人のイラストは売り上げがありませんでした…。残念。

5月7日

管理人はOpen Sea一択で販売していたので、プロエモの追跡調査は5月5日でいったん終了することに。

後日、公式Twitterアカウントを除いて見ると、Open Seaでの売り上げも総額70万円以上突破したんだとか!

とんで5月9日

予定通り5月9日でプロエモが終了しました。最終的な売り上げについては現時点で公表されていませんが、7日の時点で総額160万円以上の売り上げがあったとのことですので、盛況だったことが伺えます。

なお、売り上げがなかったイラストについては、引き続きOpen Sea(固定額に変更)とNFT Studioで販売中だそうです。ちなみに、運営に申告すれば取り下げる事も可能だそうです。

かげひと
かげひと
宣伝ですが、私のイラストもまだ販売中です。各作品1点限りですのでいかがですか!?
コーヒーさん
コーヒーさん
かなり食い気味だね。

販売先URL
・「パイロットファッション
・「3匹の仔猫 -3 kittens-
・「雪女 -Snow woman

感想とNFTの今後の課題

こうして、日本国内からの初の試み「PROJECT EMOTION」が無事閉幕となりました。

このイベントに直に参加したことにより、「NFTについての感想」と「NFTを直に経験した上での今後の課題」など見えてきたように思えたので、以下の通り考察してみました。

動画の方が視聴率が多い

今回のプロエモでは動画作品の応募も可能でしたが、閲覧者の視聴回数を確認してみると、動画の作品の方が、イラストよりも閲覧者が多めでした

動画の方が、動きに惹かれて足を止める方が多かったのかもしれません。今回は動画作品の売り上げについてマークしていませんでしたが、もしかするとイラストよりも購入頻度は高めだったのではないかな?と思っています。

かげひと
かげひと
ちなみに、今回は1700点以上の作品が出展されましたが、動画は全体の1割ほどの応募点数でした。

管理人も現在動画を勉強中のため、今後似たような企画があったら動画も出品しようかなと考えています。

有名無名関係なく売れていた

今回は公式からのお声掛けによって有名なイラストレーターも参加されていましたが、かといって有名イラストレーターの作品がすぐ完売…というわけではなかったようです

NFT上で売り上げが発生するかどうかは、有名無名関係無さそうですね

コーヒーさん
コーヒーさん
スマホゲームのような描き込み量が半端ないイラストが売れやすいのかなと思いきや、むしろピクセルアートの方が購入されていた…ってこともあったよ。
かげひと
かげひと
チャンスは皆平等にあるのかもしれません。

NFTは不労所得になるのか?

前回の記事(NFTとは?)でも紹介しましたが、購入されたNFTが二次販売されるとき、その際に発生した報酬の何パーセントかをNFT発行者がもらう設定をすることも可能です

そう考えると、NFTで不良所得を狙うことができるかもしれませんね。

かといって、ストックイラストのように「NFT用にコツコツイラストを制作&販売するぞ!」といった戦法は、あまりおススメできないかもしれません

ストックイラストだと、購入者の使用用途をある程度予測し、ターゲットに沿ったイラストを制作&販売すればよいのですが、NFTはあくまでも「購入者の完全な好み次第」で購入されるか否かが決まりますので、現実世界における美術展などでの「展覧会販売」の感覚になります。

NFTでどういったイラストが購入されるかは、購入者のさじ加減といったところでしょうか。

「NFTはイラストレーターを救う」はまだまだ不透明

日本国内でNFTがトレンド入りし始めた2月頃、ネット上では「NFTはイラストレーターを救う」という話について盛り上がっていましたが、本当にイラストレーターを救ってくれるかどうかは、現時点でまだまだ分からないと感じました。

どちらかと言うと、「イラストレーターを救う」というよりは「アーティスト寄り(作家性)のイラストレーターを救う」の方があっているのかなと思います。

商業向けではなく、あくまで作家性を出して活動している方の場合だったら、そのイラストレーターのファンが集める可能性がもありますので、NFTの世界で大いに活動していけるかもしれませんね。

ただ、商業向けで活動している方にとっても、NFTに展開する事業や会社とタッグを組むことにより、お仕事の幅が広がるかもしれません。なによりも、NFTという体験を経験することにより、また新しい世界を見る事ができることでしょう。

かげひと
かげひと
NFTが日本国内に明るみになった以上、「レッドオーシャン」になる日も時間の問題です。挑戦するなら今がベストなタイミングだと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、2021年に入ってからトレンド急上昇中の「NFT」を利用した、世界最大のNFTアート展示会PROJECT EMOTION」に参加した体験談を記事にまとめてみました。

国内でも注目されていた分、開催期間は大いに盛り上がっていたように感じました

今回、管理人も直にNFTに触れることができましたが、下記のような感想でした。

  • イラストよりも動画の方が閲覧者の数が多かった
  • 有名無名関係なく、作品が売れていた(悪く言うと完全に運)
  • NFTは不良所得になり得そう
  • 「NFTはイラストレーターを救う」かどうかは、現時点ではまだ分からない

日本国内でNFTが明るみになった以上、レッドオーシャンは時間の問題と思われます。とは言いつつ、イラスト×NFTの可能性はまだまだ無限大ですので、アイデア次第で新しいイラスト事業が展開できるかもしれませんね。

PROJECT EMOTIONは今回で終わりではなく、次回の開催も考えているようです。ただ、NFTは開催を待たずしても自分でNFTを販売することも可能ですので、この機会にNFTを試してはいかがでしょうか?

NFT」についてより詳しく知りたい方は、前回の記事であるイラストレーターを救う?デジタル資産「NFT」について分かりやすく解説してみたを参考にして頂ければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!

それでは!

 

●P.S

今回お話したNFTと、密接の関係にあるブロックチェーンについての解説書籍を紹介しておきます。NFTを知るためにはブロックチェーンは欠かせない単語となりますので、こちらも合わせて参考にしていただければ幸いです。