この記事では、以下について解説しています。
●ストックイラストは「クリスタ」で制作した作品のみで稼げるのか?
●クリスタのみを使用した場合のデメリットについて
●「JPG」と「AI(EPS)」の売り上げは「1:1」!
無印かげひと(@kage86kagen)です!
コロナ情勢、まだまだ落ち着きませんね。現在は開発されたワクチンの治験が始まっているそうですが、使えるかどうかの先行きはまだ見通せない状態だそうです。元の生活に戻るにはまだまだ時間がかかりそうですね。
コロナ情勢で大きく変わった事と言えば、「テレワーク」や「リモートワーク」といった「在宅勤務」スタイルを取る会社が増えました。それに伴い、「ストックイラスト」業界でもイラストが購入される頻度が高くなっていると聞いています。
そんな話を聞き、ストックイラストを新しく始めてみようと思っている方もいるかもしれません。しかし、ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」しか使用していない方にとっては、少々厳しいかもしれない…?
ということで、今回の記事は「CLIP STUDIO PAINT勢でもストックイラストで稼ぐことはできるのか?」ということについて、メリット、デメリット、アドバイスを紹介していこうと思います
管理人もストイラを始めた頃は、「CLIP STUDIO PAINT」のみ利用して素材登録していました。現在は「illustrator」も併用していますが、果たしてクリスタでもストックイラストで売り上げを上げていけるのでしょうか?
では、さっそく紹介していきましょう!
もくじ
クリスタのみでストックイラストはできる?

さっそくですが、「CLIP STUDIO PAINT」しか利用していない絵描きさんでも、ストックイラストでイラストを販売できるのでしょうか?
答えは「全然OK」です!
クリスタといったペイントソフトに限らず、絵具や鉛筆で描いた「アナログ」でも販売が可能となります。ただし、アナログでイラストを販売した場合は、写真を撮ったりスキャンなどをしてデータ化をする必要があります。
そんなことはありません。なぜなら、イラストを販売する時の審査基準は「絵の上手さ、完成度」ではありません。
ストックサイトが重点的に審査する項目は、「データが破損していないか」とか、「公序良俗に反していないか」、PNG形式で上げる場合は「ちゃんと背景が透過しているか」などを重点的に審査します。
そのため、例え雑な落書きイラストであっても、上記の審査項目を通過さえすれば販売できます。使用ソフトや画材も問いませんので、当然クリスタで描いたイラストも販売可能となります。
クリスタのみ利用した場合のデメリット

まずは順序が逆になるかもしれませんが、クリスタで投稿する時の「デメリット」を紹介していこうと思います。なぜ先にデメリットを上げるかの理由については後ほど解説します。
「AI形式」や「EPS形式」で保存&投稿できない

クリスタ勢がストックイラストを販売する一番のデメリットは、「AI形式」や「EPS形式」で保存&投稿できないことだと思います。
ストックサイトの多くは、あらかじめデータの販売形式が定められています。主に「JPG形式」、「PNG形式」、「AI(EPS)形式」が対象です。
「JPG形式(圧縮データ)」や「PNG形式(透過データ)」なら、クリスタ勢の方でも聞きなれている保存形式だと思います。
それとは別の「AI形式」、「EPS形式」というのは、
- 「AI形式(Adobe Illustrator)」・・・Adobe Illustrator形式データのこと
- 「EPS形式(Encapsulated Postscript)」・・・高品質なイラストや図版を保存・交換するための標準形式(ただ、ベテラン曰くEPSは今の時代「オワコン」らしい。)
…という意味になります。
「AIデータで販売?PNGで販売できるなら、いらないんじゃないの?」と思われる方がいるかもしれませんが、これはちょっと損した考え方です。
話が少しそれてしまいますが、JPGやPNGを元のサイズから拡大縮小してしまうと、元のイラストが劣化してしまいます。特にJPGだと画質が顕著に悪くなります。


上記画像のような感じになります。
しかし、AIデータの場合、イラストをどんなに拡大縮小しようとも線が劣化することがありません(こういったデータ形式を「ベクター画像」と言います。)ベクター画像は「ピクセル」の集合で構築されたデータとはまた違ったロジックで構築されているため、イラストを拡大縮小しても「ぼやけ」などの劣化を起こすことがありません。
このデータの利点は、イラストを購入者した人が、用途に合わせてイラストを自由自在に拡大縮小できるということです。
そのため、ビジネス目的で使用する個人や企業は、JPG&PNGよりも「AIデータ(EPSデータ)」の方を優先して購入する方が多いです。
…残念ながら、できません。
クリスタの「ベクター」では「AIデータ」にできない

クリスタを使用している方の中には、先ほどのようにピンと来た方もいるかもしれませんが、残念ながらこの方法は活用できません。
クリスタはjpgやpng以外にも様々なデータ形式で書き出すことが魅力的です。ただ、PSDデータ(Photoshopデータ)に書き出すことはできても、「AI(EPS)データ」は対応していないため、書き出しすることができません。どんなにベクター線で描いたとしても、不可能となります。
私もストックイラストをやり始めた頃、クリスタ単体だけでなんとかEPS書き出し&変換できる方法を躍起になって探しました。しかし、下記のリンク先のような理由で現状は「不可能」です。
CLIP STUDIOサポート「ベクターレイヤーはAI拡張子で保存できるようにしてほしい」
そのため、クリスタで描いたデータをAIデータにするためには、
- PSDで書き出し後、Photoshopを挟んでAIデータにする
- 一旦JPGでデータを書き出し、illustratorに取り込んで、illustrator内の「画像トレース」でデータをベクター化する
この2つしか方法がありません。
どちらにせよ、クリスタ勢が「AI(EPS)データ」を作るためには、「Photoshop」や「illustrator」の力を借りないといけません。
ちなみに、ネット上では「JPGデータをEPSデータに変換できる」無料サイトがいくつもありますが、変換することができてもストックサイトには「EPSデータ」として認識してもらえませんでした。
これらが、クリスタのみで作品を制作した時のデメリットになります。
※2021.1月追記
最新のクリスタのアップデートとして、「クリスタで作ったベクター線を、illustratorにコピペできる機能」が備わりました!
ただ、先ほどのデメリットを解決できる根本的な解決にはなりませんので、EPSデータとしてイラストを投稿したい場合は、引き続きillustratorの力が必須になります。
朗報!ベクター線が「クリスタ」「illustrator」間でコピペできるように!
これについては特にありません。言い換えると、「デメリット」はあっても「メリット」は無い…と言った方がよろしいでしょうか?
結局、ストックイラストサイトに投稿する作品は冒頭にもお伝えした通り、「規約」さえ守ればSAIなりPhotoshop、GIMPなどから作成した作品でも販売OKということです。
Photoshopやillustratorには「AI(EPS)データ」も書き出して投稿できるメリットがありますが、他のソフトにはそれができない。ということになります。
もったいぶって「後からメリットを説明」するニュアンスでお伝えしましたが、簡潔に言うと、「クリスタのみ使用して投稿する場合、「AI(EPS)」データ」での書き出すことは出来ないよ」というデメリットしかないよ、ということになります。
「JPG(PNG)」と「AI(EPS)」売り上げは、1:1

逆に言えば、AI(EPS)データに拘りさえなければ別にどうってことない話です。しかし、私の体験上、「JPG(PNG)データ」と「AI(EPS)データ」では、ストックイラストの売り上げが「1:1」になっています。
つまり、売り上げの半分はAIデータです。
ストックイラストを収入の一つにしていくのだれば、AI(EPS)データも一緒に上げたほうが売り上げが2倍になります。
Adobe製品を契約するにはお金が発生しますし個人の懐次第にはなりますが、本腰を入れてストックをやり続けるつもりであれば、「illustrator」のソフトをインストールし、クリスタでJPGデータを制作→AI(EPS)でベクター化して投稿していく方法を取った方がいいと思われます。
illustratorはクリスタとは違った操作感ですし、初めて使用する方にとっては線を引くときでさえ戸惑ってしまうと思います。ですが、最初は誰だって初心者。illustratorを本気で扱うのであれば、まずはポチポチいじりでもいいので触って体験して覚えていくことが大事です。
私も初めはクリスタのみで投稿していましたが、ストックサイトに登録したおよそ半月後にillustratorを購入し勉強した結果、半月でなんとか以下のようなイラストを作成することができました。下記の画像は、クリスタを一切使用していないillustratorのみで制作した作品です。

最初は「〇」しか描けませんでしたが、半年もあればここまで制作することが可能です。
ガチで稼ぐなら「illustrator」利用も視野に入れよう

…なんだか、クリスタ勢にとっては残念な結果になりましたが、「ストックサイトにはそんなにガチで挑むわけではない」というのであれば、クリスタ単体でも稼ぐことが可能です。
ただし、「ガチで稼ぎたい」、「ガチで不労所得を得たい」という方には、「illustrator」も使用される事をお勧めします。
ちなみに、「illustrator」は「月額制(サブスクリプション)」ですので、2,480/月(税別)がかかります。
昔は買い切りタイプしかなく、一気に○万円が飛んで行ってしまいましたが、今では便利なサブスクタイプでの支払いです。これを機会に取り入れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「CLIP STUDIO PAINT勢でもストックイラストで稼ぐことができるのか」について話しました。結論としては「稼げます」が、illustratorで制作するのと比べると、大きなデメリットがあります。
クリスタのみで作品を作り投稿を行う場合、「AI(EPS)データ」で書き出しができないことが最大のデメリットです。ただ、この形式に書き出すことに拘りが無いのであれば、クリスタ単体でもやっていけます。
ただ、今までの売り上げ経験上、「JPG(PNG)」と「AI(EPS)」売り上げは1:1ですので、ストックサイトでガチで稼いでいきたい方は、「illustrator」の使用も視野に入れた方が良いかもしれません。
ストックイラストを長い目で見ていくと、自分の資産になり得るコンテンツです。サイトに投稿さえすれば後は勝手に売り上げてくれるので、不労所得にもなります。
これを機会にストックサイトを始めてみたい方は、illustratorの導入も検討してはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!
