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AIにイラスト業を取られてしまう?絵描きの不安を少しでも和らげるための考え方について

この記事の解説内容

・絵描きの間で話題となっている「AIイラスト自動生成サイト(AIイラストメーカー)」とは?
・将来、AIにイラストの仕事を取られてしまう!?
・AIに対する不安を少しでも和らげるための考え方について紹介

かげひと
かげひと
こんにちは!イラストレーター兼動画クリエイターの無印かげひと(@kage86kagen)です!

イラストレーターや絵師の方なら既にご存知かと思いますが、ここ最近はAIに指示をするだけで高クオリティなイラストを生成してくれる、いわゆる「AIイラスト自動生成サイト(以下、この記事ではAIイラストメーカーと呼びます)の存在が日本で一気に認知されました。

特に、先月の2022年8月中頃からSNS上でトレンド急上昇し、絵描きを中心に多くの賛否両論が巻き起こっています。

この出来事は、渦中である絵描きは誰しもが他人事ではないことで、特に絵を描いてお金をもらっている方にとっては、不安に思っている方がかなり多いかと思われます。

そこで、様々な意見を参照した上での個人的な見解にはなりますが、「AIにイラスト業を取られてしまうかも!?という方の不安を少しでも和らげることができるかもしれないいくつかの考え方を共有したいと思います。

  • これからイラストレーターを目指しているorイラストレーターだけれど、お絵かきAIに仕事を取られないかとても心配…
  • AIイラストメーカーに対しての不安を少しでも払拭したい!
  • 絵描きによるAI技術との付き合い方について知りたい

などなど、特にAIイラストメーカーに対して不安を抱いている方向けとなっています。

この記事は、弁護士などの専門的な分野の人による難しい解説ではなく、あくまでもいち一般イラストレーターから見た見解を端的に述べているものになりますので、ご覧になる時は予めご了承ください。

では、いってみましょう!

「AIにイラスト業を取られる」というのは?

まずは、「『AIにイラスト業を取られる』とはなんぞや?」という事について、簡単に説明したいと思います。

これは、「AI(人工知能)」の開発によって、人の手で描かなくてもAIがイラストを描くことができるという、遠い未来のようで実は実際に今起きている出来事であるとてもすごい技術です。この事が、今現在大いに話題になっています。

例えば「棒人間」しかイラストを描くことができない人であっても、このAIイラストメーカーを利用することで、高クオリティなイラストを簡単に制作することができます。誰でもクリエイターになれる…ってことですね。

コーヒーさん
コーヒーさん
科学の力ってすげー!

ただ、このAIの話題自体は数年前からちらほら出ていました。なぜ今になってイラスト業界を騒がせているのかと言うと、発端は2022年8月中頃からSNS上で話題になった「超高クオリティで描いてくれるAIイラストメーカー」がきっかけです。

この出来事は大きく2回に分けて話題となっていて、最初は「Midjourney(ミッドジャーニー)」というサイトが話題となりました。

Midjourney:https://www.midjourney.com/home/

こちらのサービスは、描いて欲しいモチーフの「単語」を入力するだけで、モチーフを反映させたイラストを数分で制作してしまうという、すごいAI技術になります。

こちらは有料版と無料版があり、無料版では1人25枚まで試すことが可能です。どの精度なのか?どれくらいクオリティ高いのか?というものを管理人も実際に試してみましたが、下記画像のようにとても素敵なイラストを制作してもらいました!

かげひと
かげひと
こちらは「三途の川」(日本語)で入力して指示したのですが、高クオリティなイラストを4点も作ってもらいました!ただ、日本語入力では精度が良くないそうなので、サイト内では英語での入力が推奨されています。(複数の単語で入力すると、より精度が良くなります)
ワインさん
ワインさん
あの世に行く時は、こういう幻想的な風景がいいですね。

Midjourneyは、8月中旬頃にTwitter上でトレンド入りし、瞬く間に話題となりました。このサービスを知ったきっかけで多くの方が試してみたり、これに関する意見を述べる方もたくさん現れています。

絵を描くAI「Midjourney」は誰でも利用できる、今すぐ試すべき3つの理由

この数週間ほど、人間が与えた文章に基づいて画像を生成するAI(人工知能)のサービス「Midjourney(ミッドジャーニー)」が話題だ。同種のAIとしては米OpenAI(オープンAI)のDALL-Eや米Google(グーグル)のImagenなどが先行していたが、一般ユーザーはなかなか試せなかった。それに対してMidjourneyは、誰でも画像生成を試せるのが魅力だ。

引用:日経XTECH(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00692/081800087/)

次に、8月29日に公開されたAIイラストメーカーサービス「mimic(ミミック)」も、AIイラストメーカーに関する大きな話題の一つとなりました。

AIイラストメーカーサービス mimic(β)→https://illustmimic.com/

こちらは、イラストを15枚~30枚ほどアップロードすると、AIがそのイラストの絵柄を学習しその絵柄を使って新たなイラストを生み出すという、これまたすごい技術となっています。

こちらもサービス開始後に大きな反響を呼びましたが、サービスの規約のことだったり、運営に対しての批判の声がかなり多く、翌日にいったんサービスを停止するという流れになりました。

このように、先月はAIイラストメーカーに関する話題が大いに広まった月でした。

ただ、AIが作ったイラストがあまりにも精度が高いかつ高クオリティであるため、「AIにイラストの仕事を取られてしまう…」、「自分がイラストを描く意味とは…?」という悲観的に考えてしまうクリエイターが急増しているようです。

コーヒーさん
コーヒーさん
AIイラストメーカーに関して前向きにとらえている方もいるけれど、現状は悲観的な意見が圧倒的に多いよね。

●まとめ
2022年8月中頃に、精度の良いAIイラストメーカーの話題が立て続けに起きた結果、「イラストレーターや絵師の存在意義とは…?」と悲観的に考える絵描きが急増した。

これに対しての絵描きの賛否両論

AIイラストメーカーについての事の流れについては、先ほどの項目でなんとなく掴めたと思います。

これに関しては、絵描きはもちろんのこと、他人事ではない同じクリエイター業の方からもたくさんの意見が飛び交っていました。

事実、AIイラストメーカーに詳しい方の話によると、近いうちに「音楽」や「動画」でも同じようなサービスが公開されるとのことだそうです。音楽や動画を作っている人も、気が気じゃないかもしれません。

それはいったんおいておき、このAIイラストメーカーに対しての様々な意見が出ている現状についてですが、参考としていくつかの意見をご紹介したいと思います。

これらは全てTwitterで拝見したものを端的にまとめたものになりますので、気になる方はTwitterで検索をかけてみると良いかもしれません。

否定的な意見の例

  • 単語入力をするだけで高クオリティのイラストを制作されてしまうと、みんながそっちを使用するのでイラストの仕事がなくなる
  • 何十年描いてきてやっと身についたスキルが、一瞬で消えたような絶望の感覚
  • これを利用されると、他人に自分のイラストを使用されてサービスに読み込まれ、勝手に製造&販売されるという悪用が起きてしまう
  • AIイラストメーカーは、無許可で他のイラストを研究していると聞いたので、自分のイラストを学習に使われているということにも繋がり、気分が良くない

肯定的な意見の例

  • 背景、風景イラストは描くのが得意ではないので、背景はAIの力を借りてみたい
  • これを利用すれば、SF漫画を一瞬で制作することができる(実はそういった漫画はすでに制作されているそうです)
  • 「自分の絵柄をAIに学習させてイラストを作る」サービスを利用すれば、自分の絵柄をもっと研究でき、結果的にイラストのお仕事でさらに躍進できそう

肯定的でも否定的でもない、中立の立場から見た意見

  • 歌唱ソフト(ボーカロイドなど)が出てきたときには皆ウェルカムな雰囲気だったのに、AIイラストメーカーが出てきた瞬間、強烈な拒絶反応を起こすのはいかがなものか?
  • 現時点では「写実的」、「リアル寄り」のイラストのみしか精度が良くないので、マンガ系統のイラストを描いている自分にとってはそんなに影響はない

etc…

実に様々な意見が飛び交っていますね。AIイラストメーカーについては、各メディアやニュースも頻繁に取り上げていて、それほどまでに日本国内での関心が高い事が分かります。

参考として一つ記事を紹介しますが、こちらには「世界変革の前夜は思ったより静か」と銘打って、画像(イラスト)生成がどれほどまでに高クオリティなのか?また、これによって社会はどう変わってしまうのか?について簡潔にまとめられています。

ポジティブととるかネガティブととるかは、見る人によって捉え方が大きく異なる記事となっていますので、ちょっとだけ心の準備をした上で読んで頂ければと思います。

世界変革の前夜は思ったより静か 深津 貴之
https://note.com/fladdict/n/n13c1413c40de

かげひと
かげひと
ちなみにですが、イラストレーターである管理人の現在の心情としては、肯定的でも否定的もない、わりとフラットな気持ちで成り行きを拝見しています。不安じゃない…といえばウソにはなりますが、現時点では「こういった技術もあるんだ」的な参考程度に留めておいて、今日もせっせとイラストや動画を作っています。

●まとめ
AIイラストメーカーに対してたくさんの意見が飛び交っているが、現時点では否定的な意見が多い。

少しでも不安を和らげるための考え方

イラストレーターや絵師の中には、この一件がきっかけでかなり不安に追い込まれている方もいるそうです。

実際、結構知名度が高いイラストレーター(Twitter上でフォロワー数1万超えなど)でも、「将来イラストで食べていけないかもしれない、どうしよう」や、「AIに自分の絵が学習として利用されるぐらいなら、自分の絵を削除します」といって自作のイラストを全消ししてしまった方もいるそうです。

そこで、不安で押しつぶされそうな方の気持ちを少しでも和らげればなと思い、「AIイラストメーカーに対する不安を少しでも和らげるための考え方」について、いくつか紹介したいと思います。

これらは、「AIイラストメーカーに対しては、こう考えればいいよ」や、「こう考えておけば少しは気持ちも楽になるんじゃないかな?」といったニュアンスで掲載しています。

管理人は知名度もなければインフルエンサーのような影響力もない、イラストレーターを始めて3年目の、ごく一般的な「イラストを描くのが好きだし、イラストが好きだし、イラストを描いている人の事が超大好き人間」です。

専門的知識を持つ人間ではなく、ごく一般的なイラストレーターが書いていますので、その事を念頭に置いて参考にして頂ければ幸いです。

かげひと
かげひと
逆に、小難しい話は出てこないと思いますので、気軽な感じで読めるかもしれません。

ということで、「AIイラストメーカーに対する不安を少しでも和らげるための考え方」の一例として、以下のような考え方を提案します

  1. 現時点では、AIイラストメーカーは「人の気持ちを入れたイラストは描けない」ということを考える
  2. AIの進化は「不可逆的」なものだと考える
  3. 「歴史は繰り返される」を念頭に入れる
  4. どのサービスも最初は否定的な意見が比較的多いことを知る
  5. AIイラストメーカーにも「向き不向きの描写」があることを知る
  6. AIイラストメーカーについて意見を述べている方の”立場”も把握しておく
  7. 「TAS」と「RTA」の違いのようなものと考える

では、順を追って解説していきたいと思います。

①現時点では、AIイラストメーカーは「人の気持ちを入れたイラストは描けない」ということを考える

AIイラストメーカーの進化は恐ろしいほど早いのですが、そんなAIでも「人の気持ち」をイラストに入れ込んで制作することは、今はまだできないと個人的には考えております。

例えば、AIイラストメーカーに「ソフトクリーム」と単語入力すれば、超リアルで美味しそうなソフトクリームを一瞬で描いてくれると思います。

また、気をきかせて数百種類の味のソフトクリームイラストを生成できるかもしれませし、「夕張メロンのソフトクリーム」と詳細な単語を記入すれば、オレンジ色のソフトクリームはおろか、背景に北海道夕張市の風景を足してくれるかもしれませんね。

ですが、AIは「ソフトクリームを食べた時の人間の気持ち」をイラストに反映させることはできません。「夕張メロンのソフトクリームを食べたけど、メロンの果汁が超濃厚で、まるでお口の中が宝石箱や~!」みたいな気持ちを、イラストに描き起こすことはできません。

こういった事は、実際に体験した人間、もしくは「こんな感じかなぁ?」といった空想や想像を思い浮かべて描き起こすことができる人間、つまり人間にしか描けないものです。

コーヒーさん
コーヒーさん
ふむふむ。

他には、大好きな推しアイドルのイラストや、キャラクターの二次創作というものも、今のAIにはまだ描写できないジャンルだと感じています。

アイドルのコンサートに行った時の自分の心の昂ぶりをイラストに描き殴ったり、キャラクターの二次創作(実際には本編であまり絡みが無いキャラクター同士の組み合わせ…といったイラストなど)というものは、そのコンテンツに直に触れた人ならではが表現できることです。そして、そのコンテンツを「見たい!」と望んでいる人も大勢います。

そのため、「共感」を目的としてイラストを描いている人に関しては、依然としてとして人間の方が圧倒的ですので、仕事がすぐに無くなるといった過度な不安を抱く必要がありません。

そういった面ではAIはまだ追いつけていないと考えられるため、今すぐAIがイラストレーターにとって代わる…と言うことは、現時点ではすぐに起こり得ないのかなと思います。

かげひと
かげひと
例えば、日常生活を描いたコミックエッセイ、「この商品はここが良い!」といったような商品のPRイラスト、二次創作、同人誌といったジャンルにおいては、今すぐAIに仕事を取られる事は無いかと思われます。

②AIの進化は「不可逆的」なものだと考える

こちらは「どうしようもない」というか「あきらめ」にも近い考え方にはなってしまいますが、日々のAIの進化は凄まじいため、誰しもがこの成長を止める事は誰も出来ません

そうすると、否が応でも「AIとの付き合い方」について考えて行動をすることが必要な時が来ます。この「AIイラストメーカーはさらに進化していく」という「不可逆的」な考えを徐々に受け入れていく覚悟を持つことも必要です

この考え方は受け入れようとすればいつでも受け入れるできることが可能です。何年か先になって「AIイラストメーカーを認めざるを得ない…」となっても良いと思います。

ですが、「作家ベース」ではなく「商業ベースで働いているイラストレーター」の場合は、早いうちにAIイラストメーカーとの付き合い方を学んでいくとよいのかもしれません。

自分の絵柄を売りにして生活していく「作家性イラストレーター」であれば、自分の好きなモチーフ、絵柄で描くイラストがそのまま売り上げになります。対して「商業性イラストレーター」は、顧客の要望に沿ったイラストを第一優先として描く方がほとんどだと思います。

もし、AIイラストメーカーを活用しながら自分の手癖でも描く商業性イラストレーターが登場したとすれば、そちらの方の方がクオリティや作業スピードが上ですので、そういった方達に仕事が多く回っていく恐れがあります。

そういった面でみても、特に「商業性イラストレーター」として活動していく方は、前向きにAIイラストメーカーとの付き合い方を考えていった方が良いかもしれませんね

コーヒーさん
コーヒーさん
「人のためにイラストを描くのか」、「あくまでも自分が主体で自分の描きたいように描いて生活を成り立たせるのか」によっても、AIイラストメーカーへに対して冷静に考えた方がいい場合があるんだね。

③「歴史は繰り返される」を念頭に入れる

他の考え方としては、「歴史は繰り返される」ということについても知っておくと、少しでも不安は和らぐということについて紹介します。

『歴史は繰り返される』…って、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから…」と思う方もいるかもしれませんが、今回のAIイラストメーカーのように「新しい出来事が起きた!絵描きの人生は終わった!」という一連の流れは、歴史を遡ると過去に何回も起きてきました。

この過去についてとても詳しく説明しているのが「13歳からのアート思考」という書籍になりますが、こちらの本には「カメラ」の出現によって、絵・アート業界の「絵描きはこの日をもって終わった…」といった動揺について描写しています。

 

ざっくり説明すると、このカメラが登場するまでは、「絵は、よりリアルに描いたものがすごいんだ、価値があるんだ」というのが常識だったそうです。絵が上手いと言えるのは、イコール「どれだけリアルに描けるかどうか」が選定基準の世界です。(現代でもその風潮が未だに根強いと見えます)

しかし、20世紀初頭(1900年~)にカメラが大衆に広まっていくと、カメラは絵画よりもそっくりに背景を写し取るものですから、「これ、絵を描く意味がないのでは?」ということで、絵を描く業界にかなりの衝撃が走ったそうです

カメラの歴史をみてみよう

そして1888年、現在の写真フィルムにつながる「柔らかいために巻き取ってあつかえる」フィルムが、アメリカのイーストマン・コダック社から発売されます。その後の1935年にはカラーフィルムが、さらに20世紀の半ばには、撮影(さつえい)した直後にプリントが見られるインスタント・フィルムも登場して、写真技術の発達はさらに加速していきました。

引用:Canon https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_03_01.html

カメラの仕組み自体は1800年どころか15世紀頃まで遡りますが、一般市民にもカメラが広まったのが20世紀初期、つまり1900年~ぐらいからと言われています。

話を戻しますと、「カメラ」の出現によって絵描きいらないんじゃね?という動揺が起きましたが、その騒動があっても描き続けた方もたくさんいました。(その結果、今のイラスト業界にも通づる新しい表現が生み出されたのですが、これについても書籍に分かりやすく記載されています)

その後も、「絵のリアルさってなに?」や「そもそもアートの常識って…?」といった事が起きましたが、それでも描き続ける人は描き続けてきました。

この話に「現在」を付け加えるとすると、1970年代にはペイントソフトが開発され1990年頃にはPhotoshopが開発1990年代末にはアニメ業界がセルアニメ制作からデジタルにほとんど移行し、2000年代付近から一般の人もデジタルソフトが広く普及されるようになりました。

ワインさん
ワインさん
おそらく、その頃のアナログで絵を描く勢にとっては「アナログ勢終わった…」と嘆いた人が多くいたのかもしれません。ですが、デジタルで描く人は描くし、アナログで描く人は描く…と言った感じになっています。

さらに、日本国内では2012年にあの有名な「いらすとや」が登場したことがきっかけで、あらゆるシーンでいらすとやのイラストが使用されるようになりました。その結果、イラスト業界全体のお仕事の受注率がちょっとだけ下がった…かもしれません。 (個人的な感覚ですが)

こうしてみると、何かが発明もしくは登場する度に「絵描き終わった…」と嘆かれ、その発明と上手く付き合った人もしくはあまり気にせず描き続けた人が、その後も長期的に絵描き人生を歩んでいる事ことと思われます。

逆の考え方をすると、自分達は今「カメラ」と同じような革新的な時代に直面しているといえるかもしれません。そう考えるだけでも、これから先どうなっていくんだろう?といったちょっとしたワクワク感も抱けるのではないでしょうか?

コーヒーさん
コーヒーさん
まぁ、ちょっとだけなら…ね。

AIイラストメーカーの出現によって絵を描くのを続けるのか辞めるのかは、最後は自分次第になります。ただ、新しい出来事が起きても、それでも絵描きで生活が成り立つ人もいます。こうした歴史も振り返っておくことで、今の辛い気持ちも多少は和らぐのかもしれませんね。

④どのサービスも最初は否定的な意見が比較的多いことを知る

挿し絵05

他には、新しいサービスが開発されると最初は必ず否定的な意見が多くなるということも、この機会に再認識しておくといいかもしれません。

現に、先月AIイラストメーカーについて一気に話題になりましたが、9月頭には「よくよく考えると…」といった意見も多くなってきています。

別ジャンルの話に脱線してしまいますが、例えば2020年9月にリリースされたオンラインゲーム「原神」は、今までのオンラインゲームよりもクオリティがとても高く、かつオープンワールドゲームに仕上がっていて、かなり話題になりました。

しかし、リリース直後には「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドのパクリだ!(原神は公式に「ブレスオブザワイルドをリスペクトしていると発表している」)」とか、「このソフトには○○があって、勝手に個人情報を吸い上げられているんだぞ!」といった否定的・批判的な意見が多発しました。

しかし、その意見も数日経った後には徐々に少なくなり、なんとリリース2週間で今までの開発費分を取り戻したぐらい売り上げがあったそうです。今現在でも人気は根強く、原神のファンアートが毎日たくさん投稿されています。

無料で遊べる『原神』、わずか2週間で収益1億ドルを突破

ゲームニュース無料で遊べる『原神』、わずか2週間で収益1億ドルを突破the dice editorThe Dice Editor2020-10-12013.9k
9月末に発売されたフリープレイの『原神』が2週間ほどで1億ドル(約105億5000万円)以上の収益を記録した。gamesradar+が伝えた。
(中略)

このゲームの予算は約1億ドルと考えられており、開発者のmiHoYoはわずか12日で開発費を回収したことになる。

引用:Dice(https://thedice.com/free-to-play-genshin-impact-grosses-100m-in-just-two-weeks/)

新しいサービスが開発されると、最初はこういった「否定的な意見」の渦に巻き込まれ、中立的な目線が持てず自分もネガティブな意見を吐き出しがちです。ですが、ある程度時が過ぎれば、物語を冷静に対面することができるのも人間の性質です

先月のAIイラストメーカーの話題に触れていた人にとっては、数日経った今がちょうど「冷静にAIイラストメーカーと対面出来る時」かもしれません。

その上で、AI技術との向き合い方にポジティブに考えられたり、「自分はあまり気にしなくていいかも」と元の気持ちに戻る事もできるかもしれませんね。

誰も見た事聞いたことが無い新しいサービスが発表されれば、最初は批判的な意見が多くなる」ということも、念頭においておきましょう。

かげひと
かげひと
これも別ジャンルになって申し訳ないですが、画期的なアイテム「さんぽセル」を生み出したがために、たくさんの大人から批判の声が届いた事、それに対する開発者の意見…などといったの一連の記事も参考としてご紹介します。

小学生発案「さんぽセル」 批判した大人は「重すぎるランドセル問題」を反省すべき

「ランドセルが重すぎる」。多くの小学生が抱える悩みを解消しようと、小学生自らが、ランドセルに装着するキャスター「さんぽセル」を発案、発売したところ4カ月待ちの人気商品となった。なのに、インターネット上では「みんな我慢したんだから」などと大人たちから批判が。これに対する小学生の的確すぎる反論も話題になったが、そもそも重くさせている大人の方が反省すべきでは。

引用:東京すくすく(https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/57033/)

⑤AIイラストメーカーにも「向き不向きの描写」があることを知る

こちらは、①の「AIイラストメーカーは「人の気持ちを読み取ったイラストは描けない」とはまた違った、「絵柄」に関しての事実と考え方です。

冷静に判断すると、実はAIイラストメーカーであっても「向き不向きの絵柄の描写」があるのかなと思います。既にAIが作ったイラストを何枚も見てなんとなく感じている人もいるかもしれませんが、その多くは「リアルで重厚、厚塗り的なイラストの率がかなり多いです。

かげひと
かげひと
これはMidjourneyに限らず、今公開されている様々なAIイラストメーカー(画像生成メーカー)で言える事だと思います。

となると、AIイラストメーカーは、現時点では「リアルで重厚、厚塗り的なイラストが得意で、それ以外のテイストは得意ではない(もしくは提供できない)のではないのかな?」と考えられます。

そのため、リアルなイラストが欲しい分野、ビジネスにおいては利便性が高いかと思われますが、例えば「老若男女みんなに分かりやすく物事を伝えたい」、「デフォルメキャラを作りたい」、「一目で何が描いてあるのかが分かるイラストを使いたい」という時には、AIイラストメーカーに全力で頼ることは出来ないと思います。

分かりやすく例えを出すと、「地域の方に老人ホームに関するお知らせを出したいので、「老人を介護している様子のイラスト」を挿し絵として添えたい」となった場合、下記のように2つの選択肢があるとしたら、おそらく右側のイラストを選ぶ方が多いと思います。

ワインさん
ワインさん
左のAIが作ったイラストは、どちらかというと「保険のパンフレット」などに使えそうな絵柄ですね。大衆的に使えるかと言うと、ちょっと限定的かもしれません…。

また、AIイラストメーカーの騒動を冷静に見て見ると、どちらかというと「漫画やアニメ、ファンタジー世界、SF世界の表現」に深く関係する話が多いです。

しかし、「漫画やアニメ、ファンタジー世界」系でよく使用されるイラストというのは、イラスト業界全体で見ても「小ジャンルの一つ」だと思います。

イラストというのは、いらすとやみたいに「老若男女問わず受けが良いテイストのイラスト」、「介護や医療関係のマニュアルへの用途として必要な専門的なイラスト」、「建築系の緻密なイラスト」、「現代風に表した浮世絵イラスト」…上げればきりがないですが、おそらくこういったジャンルのイラストは、AI技術の力では数分でパッと制作することが難しいはずです。

かげひと
かげひと
経済的な規模で言えば、「漫画やアニメ、ファンタジー世界」イラストジャンルが圧倒的にお金の動きが激しいですが…。

この考え方もどんなイラストを描くかによって受け取り方が変わってきますが、AIにも苦手な絵柄があるということを把握しておきましょう。

⑥AIイラストメーカーについて意見を述べている方の”立場”も把握しておく

お伝えしている通り、現在はAIイラストメーカーに対して賛否両論が起きている状況ですが、この状況を少しでも楽観的にとらえるためには、意見を述べている方の今の立場についてもチラッと把握しておくといいかもしれません。

これはどういうことかというと、端的に言ってしまうと以下のような感じです。

●肯定的な意見を述べている方は、こんな立場の方が多い傾向

  • 今すぐにイラストの仕事が無くなる可能性が低い、人気度や顧客が多い、世の中に対して影響度があるイラストレーター(気持ちに余裕があるので、冷静な気持ちでAIイラストメーカーについて前向きな意見を述べられる)
  • 趣味で描いている方(人気や目線を気にしない、自己満足のタイプの場合)
  • 絵を描かない方

●否定的な意見を述べている方は、こんな立場の方が多い傾向

  • これからイラストレーターを目指す、又は成り立ての方
  • 月の収入が不安定で、お金や将来に不安があるイラストレーター
  • イラストレーターや絵師の事が大好きな方
  • 趣味で絵を描いている(人気や知名度、フォロワー獲得を重視して描いているタイプの場合)

●中立的な意見が多い立場の人

  • AIイラストメーカーなどといった物を作るエンジニア、技術者
  • 著作権などの法律や権利的なもの詳しい方(弁護士など)

自分がどの立場にいるかによって、物事に対する捉え方もかなり変わってきます。そうなると、別意見で為になる良い事を言っているけれども、それが目に入らずにひたすら批判的になってしまうものです。

AIイラストメーカーに限らずですが、何か物事を知った、ニュースを見た時には、面倒かもしれませんが「賛成派、反対派、中立派」の3つ意見を参考にすることで、自分の目線を広げる事ができます。

➆「TAS」と「RTA」の違いのようなものと考える

これは少々限定的な考え方ではありますが、ゲーム好きなイラストレーターや絵師の方であれば、「TAS」と「RTA」のようなものだととらえておけば、多少は気が楽になるかもしれません。

TASとRTA」を簡単に説明すると、これはテレビゲームなどをプレイする時の、一種のプレイスタイルの事を指した言葉になります。その内容は、「出来るだけ早くクリア出来るか」ということを競い合うプレイスタイルです。ゲームを楽しむよりも、どれだけ早くクリアできるかといった、もはや「スポーツ」みたいなものですね。

TAS(英語: tool-assisted speedrun)は、エミュレーター(要するに機械の力)を借りて最速クリアを目指す事、RTA(Real Time Attackの略)は、人間の操作で最速クリアを目指す事を言います。

こういった遊び方は全世界で広まっており、大規模なイベントも開催されています。しかし、実はTASよりもRTAの方が圧倒的にイベント数が多く、つい先月も日本国内でも大きなイベントが行われたばかりです。

RTA in JapanはRTAが好きな人たちの結束を高め、RTAの発展と促進を図るために活動しています。

アメリカで行われている『Games Done Quick (GDQ)』というイベントを参考にしており、GDQのようなイベントを日本でも開くことができないかという思いからイベントが始まりました。

引用:RTA in Japan(https://rtain.jp/)

かげひと
かげひと
TASによる最速クリアは、機械の力による圧倒的精度によるもので見ていて爽快ですが、RTAは人がコントローラーで操作しているのに人間業とは思えないテクニックが登場したり、人間ならではの操作ミス→リカバリーの流れが、見ていてとても熱くなります。
コーヒーさん
コーヒーさん
今後、イラストコンテストを開催する場合は、「AI部門」と「人間部門」で分かれて行われそうな気がするね。そして、どちらかというと人間部門の方が大いに盛り上がりそう!

世間に広く知れ渡ったAIイラストメーカーが今後どのようになるかは分かりません。ですが、絵描きのようなコンテンツの場合、AI技術がすごくても依然として人間業に魅力があって、すぐに盛り下がるような可能性が低いコンテンツもありますので、あまり悲観的にとらえなくてもいいかもしれません。

これからイラスト業で生活し続ける方へのアドバイス

さて、ここまでは「AIイラストメーカーに対して不安な方の思いを少しでも和らげるための考え方」として、参考になりそうな考え方をいくつかご紹介しました。

いろんな意見や考え方を読んでいく内に少しでも冷静になって頂けたのであれば、この記事も役に立ったのではないかなと思っています。

でも、「じゃあ結局のところ、絵描きはどうすればいいの?」と、新たな不安を抱いていた方もいるかもしれません。

個人的な意見にはなりますが、簡潔に言うと「とりあえず現状維持でいいんじゃない?」といったところでしょうか。

AIイラストメーカーが大々的に広まったところで、今すぐ何かが変わることはおそらく無いと思います。この先どうなるかは結局のところ「神のみぞ知る」なので、今のところは時間や世の中の動向の流れに身を任せる事が、精神上一番いいのかもしれませんね。

とりあえず現状維持」を念頭に置いた上で、これからイラストレーターとしてお金をもらって活動していきたい、イラストレーターとして長期的に働いていきたいという方に関しては、下記について徐々に考えていくといいかもしれません。

  • AIと共存する方法を自分なりに考えてみる
  • AIを「ペイントソフト」と同じような扱いで付き合っていく(一種の道具として利用する)
  • 商業性イラストレーターであっても、作家性としても食べていく道を少しずつ整えていく

AIイラストメーカーは今後益々成長していくことと思われますが、AIにはAIの良さ、人間には人間の良さがあるということを割り切って、今後もイラスト活動を楽しんで頂ければ嬉しいです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、今話題の「AIイラスト自動生成サイト(AIイラストメーカー)」に対する不安少しでも和らげるための考え方について、いくつかご紹介しました。

今の世の中は、「AI(人工知能)」の開発によって、人の手で描かなくてもAIがイラストを描くことができる時代となっています。そのため、近い将来イラストレーターや絵師の仕事が無くなるのでは…?と心配している方も多いと思われます。

これに対して、絵描きや絵描き以外の方でも様々な意見が飛び交っていますが、否定的な意見を聞き過ぎて悲観的になっている方のために、不安な気持ちを少しでも和らげる考え方の一例を取り上げてみました。

  1. 現時点では、AIイラストメーカーは「人の気持ちを入れたイラストは描けない」ということを考える
  2. AIの進化は「不可逆的」なものだと考える
  3. 「歴史は繰り返される」を念頭に入れる
  4. どのサービスも最初は否定的な意見が比較的多いことを知る
  5. AIイラストメーカーにも「向き不向きの描写」があることを知る
  6. AIイラストメーカーについて意見を述べている方の”立場”も把握しておく
  7. 「TAS」と「RTA」の違いのようなものと考える

これらの考え方を参考にした上で今アドバイス出来る事は、「りあえず現状維持でいいんじゃない?」といったところでしょうか?

この先、AIイラストメーカーがどのようになるのか分かりませんし、それが我々絵描きにどう大きく影響するのかも分かりません。

将来どのようになるかは分かりませんので、「とりあえず現状維持」を念頭に置いた上で、

  • AIと共存する方法を考えてみる
  • AIを「ペイントソフト」と同じような扱いで付き合う(一種の道具として利用する)
  • 商業性イラストレーターであっても、自分の絵柄を少しずつ確率させていく方法も取る(作家性としても食べていく道を少しずつ整える)

余裕があればこれらについて徐々に考えて見るといいかもしれませんね。

ここ1ヶ月は、絵描きにとって何かと暗い話題が続いていましたが、この記事が少しでも不安を和らげることが出来たのであれば、とても嬉しい限りです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

それでは!