イラスト技法&練習方法

年代ごとの「瞳の流行の移り変わり」について

この記事では、以下のことについて解説しています。

●「瞳」の描き方は10年ごとに変化する件について
●2000年代、2010年代、2020年代ごとの瞳
●どの「瞳」の描き方が需要があるのか? 

かげひと
かげひと
こんにちは!イラストレーター
無印かげひと(@kage86kagen)です!

今回は、アニメや漫画の世界における「人物イラスト」の表現についての記事になります。
その中でも、「」に焦点を当てた「年代ごとの絵柄の移り変わり」について、ご紹介したいと思います。

先日、この内容についてTwitter上で何気なく呟いたら、かなりバズってしまいビビりました
自分への「再認識」のつもりで呟いたつもりでしたが、どうやら多くの方に共感を頂いたみたいですね…。

ワインさん
ワインさん
こんなにバズるとは思っていなかったので、「いいね」の通知が来るたびに「不安」で心臓バクバクしてました。
コーヒーさん
コーヒーさん
「たかが個人的見解の呟きなのに、こんなに広まっていいんだろうか…」っていう不安が襲い掛かってきたよね。

この呟き、実のところ140文字では語りつくせないほど「瞳」に関して話したい事があり、記事という形でより詳しく説明することにしました。

今回は、そんな「年代ごとの瞳の移り変わり」について、
どのような「瞳の描き方」が流行ったのか
その瞳はどの世代に需要があるのか
といった事を重点的に、「瞳」について紹介していこうと思います!

デザインは「10年ごと」に移り変わる

」を語る前に、まずは「デザイン」の移り変わりについてご紹介します。今回の「瞳の絵柄の移り変わり」にも大きく関わってくる話です。

デザイン」というのは毎年毎日、日々少しずつ変化しています。
このデザインの歴史を説明する時は、分かりやすいようにあえて「年代ごと」に区別する媒体が多く、その中でも「10年ごと」に分けて紹介することがほとんどです。

参考リンク
色の歴史」(一般社団法人 日本流行色協会
https://www.jafca.org/colorhistory/

上記のリンク先の「色の歴史」を参考にすると、
1970年代(1970年~1979年の10年間)には、俗に言う「ナチュラルカラー」といった、木材のような超薄茶色オリーブのようなちょい濁った緑色…のような「自然な色」がトレンドでした。

かげひと
かげひと
蛇足ですが、なんで「ナチュラルカラー」が流行ったのかというと、「1970年代」は、「行き過ぎた工業化社会」によって世の中の環境が大きく変わってしまった問題から転じて、「環境を見直していきましょうねー」→「ナチュラル」な色合いが志向となったそうです。
世界の情勢や環境によって、「トレンドの色」も変わっていくんだね。

こんな感じて、10年を区切りとして時代を見ていくと、デザインは大きく変わっていきます。
(というより、「10年ごとに変わっていく」ように思われる歴史への「記し方」が多いです。)

「瞳」の描き方も大体10年で「目に見えて変化する」

かげひと
かげひと
」だけにね。

今回の本題である「人物イラストにおける瞳の描き方」についても例外ではなく、流行は毎年少しずつ変わっていきます
それを「10年ごと」で大まかに分けるとすると、以下のように分類されます。

年代ごとの瞳の移り変わり

それぞれどのような描き方の特徴があったのでしょうか?
以降、詳しく解説していきます。

2000年代の特徴

2000年代によく描かれていた瞳

●特徴的な描き方
・瞳上部に大きな白いハイライト
瞳孔は割と小さめの黒
・目の枠線(主線)は全て「
2021年現在での、「20代後半~40代」に最も高い需要があると思われる。

 

大きな白いハイライト
瞳の左上、もしくは右上に「大きな白いハイライト」を載せる作画は、「1980~1990年代」から流行しているように思えます
2000年代については、前の年代である「1990年代」のハイライトの描き方が受け継がれているように思えます。

ただ、ハイライトの面積は、時が経つにつれて小さくなっていっていますね。それでも、2000年代はまだ大きめだと言えます。

ですので、もし「2000年代」の瞳を表現したいのであれば、「大きなハイライト」を意識して描くといいかもしれません。

かげひと
かげひと
ちなみに、1970年以前はどちらかというと「瞳孔部分を白抜きにしたハイライト」の描き方が主流だったみたい。
キューティーハニー」とか、「ガッチャマン」とか…。
どうでもいいですが、私は「瞳孔を白抜き」にする瞳の描き方が好みです。

 

瞳孔は割と小さめの黒
2000年代の瞳孔部分は、黒い小さめの円で着色されることが多いです。
もしくは、目の影部分とくっついたような描写も結構多いです。

かげひと
かげひと
それが顕著に見える作品だと、
金色のガッシュベル」(アニメの方)や
犬夜叉」(アニメの方)などがそんな感じです。

目の枠線(主線)は全て「黒」
もう一つ特徴的な点は、目の外側の線(いわゆる主線)は全て「黒」一色で塗られていることです。このおかげで、2000年代に流行したイラストには、目に迫力がある絵柄が多かったように見えます。

2010年代の特徴

2010年代によく描かれていた瞳

●特徴的な描き方
瞳の面積が大きくなった(白目の面積が小さくなった)
ハイライトはだんだん小さくなる
・瞳の中のの「高低差が少ない」
・「まつげ」にも色をのせる
・瞳孔を「真っ黒」で描く作品が少なくなった。
2021年現在での、「10代~30代前半」に最も高い需要があると思われる。

 

瞳の面積が大きくなった(白目の面積が小さくなった)
大きな特徴としては、「白目の面積よりも瞳の面積が広くなった」ことが印象的です。おそらく、現実世界の人間の目に寄せてきたのかな?と思います。

ワインさん
ワインさん
確かに、最近のイラストの瞳も現実のように「ほぼ丸」で描かれている作品が多いですよね。

ハイライトはだんだん小さくなる
2000年代の「大きなハイライト」に比べると、ハイライトの面積はだいぶ小さくなりました。まるで「ちょん」と点をうつような感じです。
また、2000年代以前はハイライトをくっきり見せるために、「ハイライト周りを黒線で囲む」描写が多く見受けられましたが、2010年代ではそういった描写が少ないです。

かげひと
かげひと
例を挙げると、
魔法少女まどか☆マギカ」や
化物語シリーズ」のような瞳かな?

●瞳の中の色の「高低差が少ない」
少し難しい話になりますが、
瞳の中の色の「明度(明るさ)」、「彩度(鮮やかさ)」の差が比較的小さいような気もします。
つまり、瞳の色が全体的気持ち「同一色」っぽい印象です。

●「まつげ」にも色をのせる
他に特徴的なのが、この年代から「まつ毛の上に黒以外の色をのせる」といった描写が多くなってきました。
1980~2000年代だと、例え「紫色の髪」を持つ人でも、まつげや眉毛が「」っていう描き方が多い印象ですが、その部分は2010年代だと細かく描かれるようになりました。

瞳孔を「真っ黒」で描く作品が少なくなった
デジタル技術が進み着色作業が簡単になったせいもあるのか、瞳孔部分にも多少の色をつけるようになりました。
2000年代以前は「真っ黒」ですが、2010年代は「瞳のベースの色をちょっと暗くした」感じで着色しているように思えます。

2020年代の特徴

そして2020年~2021年…。

今の時代の瞳の傾向としては、とにかく鮮やかでキラキラした印象があります
デジタル技術がさらに加速したり、全体的に絵描きさんの作画レベルが上昇した結果、このような瞳の描き方が増えたと思われます。

2020年代によく描かれていた瞳

●特徴的な描き方
瞳の映り込みまで描くように
・全体的に「つり目」が多くなった
2021年現在での「10代~20代後半」に、最も高い需要があると思われる。

キラッキラ!まるで宝石のようだね!

 

瞳の映り込みまで描くように
2000年代、2010年代の描写にはほとんど見受けられませんが、2020年前後から「瞳の向こう側の景色」、つまり「映り込み」も意識して描き込むようになりました。
上記のイラストの瞳は「屋外」にいる場合を想定して描いたので、瞳の中には「青空を表した青っぽい色」も挿入しています。

かげひと
かげひと
上記のイラストについて、一部の人からは「ドラえもん」を見ているんじゃないか?と言われましたが、特にドラえもんは意識していないです…。でも、そう見えますよね。

ですので、「青空」の下にいるなら「青色」を、「炎を目の前にしている」なら「赤、オレンジの色」を瞳に描き込むことで、瞳の反射を表現することができます
こうすることでイラストの「リアリティ」がさらに上がります。

かげひと
かげひと
人物イラストを見る時、真っ先に視線がいくのが「瞳」なんだそうです。
イラストの「」は、見る人に「第一印象」を与えるので、瞳は特に力を入れたほうが良いパーツかもしれませんね。

●全体的に「つり目」が多くなった
こちらは、ツイートを見た人からのコメントで気づかされた描写です。
特に女性キャラにも見受けられますが、ツンデレキャラに限らず、温厚な性格のキャラであっても「若干つり目」気味に描かれていることが多い気がします。

つり目だけど、キャラが全体的に優しそうに見えるのはなぜ?」というイラストもあるかもしれませんが、そういった時は目以外のパーツ、特に眉毛が印象を操作しているかもしれませんね。

かげひと
かげひと
「垂れ眉」だと、優しい印象がありますよね。
…「つり目」に「垂れ眉」という構成だと、どちらかというと「怪しい交渉を持ちかけてきそうなキャラ」の印象があるけど。

どの瞳にも需要がある

さて、ここまで「3つの時代の瞳を紹介してきました。
これらの瞳と「自分の絵柄」を見比べて、もしかすると以下のような感情を抱くかもしれません。

俺(私)は、昔から絵柄が変わっていない…。
2000年代から取り残されていたんだな…。
やっぱり、最新の絵柄の方が需要があるよね…。

実際、引用RTでも上記のような少し落ち込んだ様子のコメントが散見されました。
しかし、それと同時に「2000年代が一番好き」、「2010年代が一番好き」というような反響もありました。

そう考えると、
この絵柄が好き!
この絵柄を描くのが好きが!
といった意見が均衡を保っている気がするので、実質どの瞳にも需要があるんじゃないか?と思っています。

ですので、「私の絵柄は2000年代から止まっている…」と嘆いている方、そのままその絵柄を好きなだけ描いていきましょう!

ただし「好きな絵柄を描く」は「趣味」に限る

ただし、上記の話は「趣味の絵描き」の場合に限ります。

趣味から飛び出して「プロ」のイラストレーター他のクリエイターとして仕事をしていくのであれば、「2000年代の絵柄でずっと描く!」という考えは危ないです!

今の絵柄にはついていけない!俺は1980年代の絵柄で稼いでいくんだ!」と決心するのもいいかもしれませんが、少なくとも「1980年代」に流行した絵柄は、「今現在」での需要が少ないです。
2021年には「2021年で流行している」絵柄に最も需要があります

かげひと
かげひと
そりゃあ「流行」ですからね。

たとえ話をすると、「2000年代」で活躍したイラストレーターさんが、
2021年でもずっと活躍している
2021年ではすっかり見なくなった
といった事象を見かけた方も少なくないと思います。

そのクリエイターの絵柄について、目に見えた変化は気づきにくいですが、前者は「流行に合わせて絵柄も少しずつ変化させている」から今も需要がありますし、
後者は「流行よりも自分の絵柄を優先させたから、現代ではあまり需要がなくなった」と言えると思います。

イラストレーターとして長期的に活動したい方は、こういった「流行」も意識して物づくりをするといいかもしれませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、「年代ごとの瞳の移り変わり」について紹介しました。
瞳一つとっても、時代ごとに描き方が変わっていくものなんですね…。

今回は「2000年代」、「2010年代」、「2020年代」について、瞳の描き方の特徴的な部分を、詳しく紹介してきました。2021年より先の未来は、どのような瞳が好まれていくのでしょうか?

でも、どの時代の絵柄にも「需要」は存在しているので、趣味で描く分には流行を気にせず好きなものを描いていくといいでしょう。

ただし、それは「趣味」の話であって、これから「プロ」のクリエイターとして長く活動していく方にとっては、常に「最新の流行」を把握し、それに合わせた描き方も念頭に入れておいたほうがいいでしょう

2020年代」の現代で、「1990年代」の描き方に固執し過ぎると、「需要が少なくなる=仕事が減る」ことに繋がりますからね。

かげひと
かげひと
でも最近は、「1980年代」「1990年代」「昭和レトロ」「平成レトロ」描き方をするイラストレーターも増えてきていますので、一概には言えませんが。
時代は回るんだなぁ。

ということで、今後とも素敵なお絵かきライフをお過ごしください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!

それでは!


 

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フリーランスイラストレーター
無印かげひと
「すっきりとしたエモいイラスト」を主体として、イラストやlive2D、動画制作、アニメーション制作も行っています。コーヒーとワインと無印良品が好き。