この記事では、以下のことについて解説しています。
●パソコンソフト「Live2D」とは?
●Live2Dを利用している人
●Live2Dの簡単な作業手順
無印かげひと(@kage86kagen)です!
巣ごもり生活が続きますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?屋内での活動時間が増える中、この機会に動画配信に挑戦してみたり、Vtuberを始めた人も多いと聞いています。
その中でもVtuberとして活動している人の中には、顔出しを嫌う人も結構多くなっています。ただ、だからといって顔無しの音声配信のみだと、イマイチ見てもらえませんよね。
そんな悩みを解消すべく、近年では「動くイラスト」をアバターとして活用している人もいます。この「動くイラスト」の制作方法として、3Dソフトを利用しなくても制作できる方法があるんです。
YouTubeを見ている方なら、一度は以下のような3D作品を見たことがある人もいるのではないでしょうか?この動画がまさしく「3Dソフトを利用しないで作った」アバターになります。

ということで本日は、3Dソフトを使うよりも簡単に「動くイラスト」を作ることが出来るパソコンソフト、「Live2D」というソフトについて紹介していきたいと思います!
- YouTube配信用のアバターを作ってみたい!
- Live2Dって、何ができるソフトなの?
- ホロライブやにじさんじのようなアバターを作るには、Live2D以外にどんな機材が必要なの?
などなど、Live2Dについて気になる方はぜひ当記事をご参考ください!
もくじ
「Live2D」とは?
この「Live2D」という言葉は、ここ数年ネット上で急速に広まっていきました。もしかしたら、絵描きならなんとなく一度は聞いたことがある言葉かもしれませんね。
Live2D(正式名称は「Live2D Cubism Editor」)というのは、株式会社Live2Dが開発したパソコンソフトの事で、「イラストを立体的に表現することができるソフト」のことを言います。
いえ、Live2Dは、厳密に言うと3Dとはちょっと違ったジャンルになります。Live2Dは、既存のイラストを動かすことが出来る革新的なソフトです。

ソフト自体は2013年に正式にリリースされましたが、そこから徐々に注目され、現在では世界中で広く使用されています。
このLive2Dのソフトのお値段についてですが、
- 単月:¥2,080/月
- 年間プラン:¥14,280/年(1ヶ月あたり¥1,190)
- 3年間プラン:¥36,720/年
…となっております。
ちなみに、「トライアル版(お試し版)」も用意されており、こちらは42日間無料です。(※ただし、機能がいくつか制限されてます。)
Live2Dはこんな人が利用している

なんだかすごそうなソフトですが、このLive2Dで作られたイラストは、特に以下のような方が利用しています。
- 動画配信したいけど顔出しはNGなので、代わりに「アバター」を使ってVtuberデビューしたい
- スマホゲームの立ち絵として活用したい
- 自分のオリジナルキャラを思い通りに動かしたい
- 観光地などの無人案内所で活用したい
アイデア次第では、活用場所は無限です。その中でも使えそうなシーンとしては、ただの2Dイラストだけでは表現が伝わりにくいコンテンツ、またはただの静止画イラストよりもインパクトを与えたい目的などで、使用されている場合が多いです。
よく使用されている媒体先を例に出すと、先ほども紹介したようにVtuberのアバターや、スマホゲームを中心としたキャラクターの立ち絵などでよく見かける技術です。
また、サブカルチャー文化に限らず、観光地の案内所などでも利用されているみたいですね。他には、広告用の素材イラスト、企業のCMなどなど、広い媒体で使われているそうです。
スマホゲームの例を挙げると、10代~20代女子に人気があるゲーム「ツイステッドワンダーランド」でも使用されています。こちらの本編ストーリーやサブストーリーの立ち絵は、すべてLive2Dで制作した立ち絵が使用されています。
なぜこんなに普及しているの?

近年急速に普及されているLive2Dですが、どうしてこんなに広まっているのでしょうか?その理由の一つとしては、「コスパが良い」ことがあげられるかもしれません。
イラストを3D化する作業というのは、想像以上にかなりの時間を要します。作業時間は3Dソフトによってピンキリですが、人物1体を1日3時間~6時間で、これを4日~2週間ぐらいかけて制作することが多いと聞きます。
ただ、「3Dのように後ろ側まで作りこむつもりはないよ!正面のみを3Dっぽく見せたい!」というのであれば、3DソフトよりもLive2Dを使用することで、短時間で動くイラストを制作することが可能です。
下記の動画であれば、最短だと1日3時間×2日間ぐらいで完成させることができます。しかも、以下の動画はLive2D導入後1ヶ月経った頃に作った作品ですので、操作方法や仕組みさえ覚えてしまえば、比較的短期間でクオリティの高いLive2D制作スキルを備えることが可能です。
このように、後ろに回り込むような描写を求めない場合であれば、Live2Dを用いることで簡易的に3D化することもできます。しかも嬉しい事に、イラストの画風を保った立体表現を作ることが出来るので、そう考えるとLive2Dは本当にすごいソフトですよね。

リップシンクもできる
Live2Dで作られたアバターは、主にVtuberなどの配信動画などでよく見かけます。見たことがある人は分かると思いますが、配信者の言葉に合わせてアバターの口や目、表情も細かくシンクロしていますが、あれはどういった原理で動いているのでしょうか?
この仕組みは、ウェブカメラを通じて人間の表情を読みとり、それをアバターに反映させています。そう聞くと、なんだかすごい難しい技術が必要そうな気がしますよね。でも、この仕組みもLive2Dで作ったイラストであれば、簡単に反映させることができます。
これは、リップシンク(フェイシャルキャプチャという)といわれる技術を利用しています。Live2Dで作った作品は、このリップシンクという設定が手軽にできるため、動画配信のアバターとしてLive2D使用率が高い理由も、その一つと言えるかもしれません。
とは言うものの、Live2Dはあくまでも「動くイラストを制作して、データとして出力」するためのソフトなので、リップシンク機能を利用するには、出力したデータを別のソフトで設定する必要があります。
そのソフトというのは、別会社が開発した「Animaize(※facerigの後継ソフト)」を使用することになります。
Live2Dを始めるための必要な道具

さて、ここまではLive2Dについてざっくり説明しましたが、この話を聞いて興味が出て来た方もいるのではないでしょうか?ということで、ここからはLive2Dを始めるための必要な道具等についてご紹介します。
必要な道具やソフト
- Live2D(対応機種は現在PCソフトのみ。スマホのアプリストア等にはない。)
- パソコン
Live2Dは、現在パソコンのみ対応しています。パソコンの詳しい動作環境については、公式ホームページを見て頂ければ、より詳しいスペックを確認できます。
ちなみに、Live2Dを制作した後にそのままVtuberを始める方であれば、Live2Dのほかに、先ほど紹介した「Animaize」をダウンロードしておくといいでしょう。(「Steam」で販売されています)
ちなみに、Animazeはサブスクリプション形式で販売されており、「月間ベーシック:$1.99 /月」で利用できます。
Live2Dを始めるにあたって必要な知識

Live2Dを始めるにあたって必要な知識は、実は特にありません。
Live2Dを操作するにあたり、ある程度イラストを描けなければいけないとか、イラストの画力は神絵師レベルが必須!などといったことはぜんぜん関係ありません。Live2Dを動かすだけであれば、画力は関係ありません。
Live2Dソフトの操作の仕方については、公式サイトで懇切丁寧に説明されていますし、参考書籍や参考記事などもどんどん増えてきていますので、それらを見ながら作っていく事で、自然とスキルが身についていきます。
ただ、公式サイトのマニュアルを見た個人的な感想としては、1回通しで見ただけでは理解が難しいと感じました。繰り返し何回か動画を見るか、もしくはこのマニュアルをさらに噛み砕いて説明したサイトや動画などがあれば、さらに分かりやすいと思うのですが…。
Live2D使用時に必要なイラスト
- PSDデータで保存されたイラスト1枚(各パーツごとにレイヤー分けしたもの)
「動くイラスト」を作るためには、「動かしたいパーツ」事にレイヤーで分けられたPSD(Photoshopで保存したデータのこと)データが必要です。だからといって、
「えっ、自分はPhotoshopを持っていないから、制作できないよ…」と思った方、諦めるのはまだ早いです。
要は「PSDデータ」に出力できればOKなので、「CLIP STUDIO PAINT」を使用している方でしたら、クリスタ内でPSDに保存できる機能がありますので、Photoshopを持っていなくてもPSDデータで保存することが可能です。他ソフトについてはあまり詳しくありませんので、各公式サイトをご参考ください。
そして、先ほども書きましたが、PSD保存が必須の他に「動かしたいパーツごとにレイヤーを分ける」必要があります。
一番重要な顔パーツはもちろんのこと、髪も動かしたいのであれば「前髪」、「右側の髪」、「左側の髪」、「後ろ髪」など、レイヤーを細かく分ける必要があります。これは、後ほど説明する「Live2Dでモーション(動き)をつける」ために必須の作業です。
これはたまにあるそうなのですが、「私のイラストをLive2Dで動かして欲しい」という依頼を請けた時に、すべてのレイヤーが統合されたデータや、ただのjpg画像をポンと渡されることがあるそうです。
依頼された側としては、「え?これ、パーツ分けもやって欲しいってことなのかな…?じゃあ、追加料金を計算しなきゃ…」となってしまい、すごく困ってしまいます。
自分のイラストを他の方にLive2D化してもらう際には、
- 動かしたいパーツごとに分けたPSDデータを渡す もしくは、
- PSDデータ分けの作業料も込みで依頼するか
このどちらかを選択して依頼するようお願いします。
Live2Dイラストの作業手順

Live2Dイラストの作業の流れについてですが、大きく分けると以下のような手順になります。
- イラストを作る
- Live2Dで「モーション(動き)」を付ける
- Live2Dで「アニメーション」を付ける
聞いただけだとなかなかイメージしづらいと思うので、下記のような作業風景を準備しました。こちらは、②「Live2Dで「モーション(動き)」を付ける」の作業を行っている最中です。

まずは、パーツごとにどのように動かすのか?どのように変形させるのか?といったモーションをつけていき、それらのモーションを組み合わせて一つのアニメーションを作っていく…というイメージになります。
聞いただけだけだと「なにがなんだか…」と困惑するかもしれませんが、やり方を学んでいざ自分で動かしてみると、「動いた!」という感動を味わうことができます。
Live2Dを使うと身に付くスキル
Live2Dを行うには何が必要か?イラストはどのように準備すればいいのか?をざっくり説明してきましたが、Live2Dを一から知らない人から見れば、やっぱり難しく感じてしまいますよね。ただし、諦めるのはまだ早いです。
実は、このLive2D操作のスキルを身に付けることで、様々なメリットが生まれます。
3D把握能力がつき、イラストの画力向上に繋がる

Live2Dイラストを制作する時は、3Dのような動きを考慮しながらモーションをつけていくことになります。そうすると、「関節はどこまで回せるのか?」「目はどれぐらいまで開けばいいのか」といった人体についても勉強することができるので、それに伴って人物イラストの画力アップ向上も図ることができます。
普及率がまだ少ないので希少なスキルを身に付けられる
ここ10年は絵描きの人口が年々増加しており、それに伴ってイラストレーターの職に就いている人も増加傾向にあります。
たくさんのイラストレーターがいる中、差別化を図るためには「新しいスキル」を保有することも重要になっていきます。
Live2Dは比較的新しい技術ですので、まだまだ可能性のあるLive2D制作スキルを身に付けておけば、イラスト単体スキル持ちの方よりも多く仕事をもらえる事ができるかもしれません。
もし、イラストを描いている方がLive2Dのスキルも身に付けると、
- イラストも描けて、
- Live2D用にイラストをPSDレイヤー分けできて、
- Live2Dでモーションも付けられる
という3つの技術を扱うことができます。
詳しい使い方はこちら

Live2Dの使い方は、公式サイトを始めサイトやブログ、書籍等での紹介されることが徐々に増えてきています。
一番初めに勉強するなら公式サイトを見て頂きたいところですが、たぶん1回見ただけでは理解できないと思いますので、公式サイトを見た上で解説をより噛み砕いたサイト等を閲覧することを推奨します。
以下のリンク先は、Live2Dを作るにあたって参考になりそうなサイトや書籍を集めてみましたので、興味のある方は参考にしてみてください。
●Live2D Cubism Editorマニュアル
一番初めに見ておくことをおススメする公式サイトのマニュアルです。こちらには、Live2Dを始めるにあたっての必要な情報が載っており、メイキング動画等も置いてあるため、このコンテンツ1だけでも充分勉強になります。が、本当に初めて勉強するという方にとっては、なかなか難しいかもしれません。
●さらえみ blog Live2Dを使ったVtuberキャラクターの作り方
フリーランスとして活動されているイラストレーター さらえみさんの情報ブログになります。Live2Dは2017年から使用されているそうなので、Live2Dに関するメイキング等の情報量が満載です。
こちらの書籍も参考になります。Live2Dを独学で学ぶとなると、どうしてもエラーにぶち当たってしまいがちですが、書籍等を参考にして勉強していく事により、エラーの解決時間が速くなります。それによって、より多くの制作時間に費やすことができるはずです。
こちらの本は「10日でマスター」とうたっていますが、10日でマスターできるのは相当早いと感じます。
表紙から見ても分かる通り、人物以外に「モンスター」の動かし方についても掲載している書籍です。Live2Dソフトの使い方をとことん説明しており、「初歩編」、「基本編」、「応用編」順のステップ式で解説してくれます。
これらの解説記事や書籍を上手く活用すれば、短期間でLive2D制作スキルを学べるかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「Live2Dを使うとイラストを3Dのように動かせる!「Live2D」とは?」ということについてご紹介しました。
2021年現在では、スマホゲームや動画配信用アバターに使われるほどまでLive2Dイラストの需要が高まってきています。これは比較的新しい技術ですので、これから仕事量も増えていくコンテンツではないでしょうか?

また、Live2Dの使い方については、次回以降このブログでも紹介していこうと思います。あくまでもLive2Dを一から知らない方のために導入しやすいように説明していきますので、興味がある方は次回以降もせひご覧ください!
Live2Dイラストの作り方①~イラスト加工編~
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!