
こんにちは!無印かげひと(@kage86kagen)です!
お盆休み、いかがお過ごしでしょうか?
自治体にもよりますが、もうすぐ子供達の夏休みも終わってしまいますね…。
私は今回、退職後初めての「盆休み」を経験することになりましたが、かといって過ごし方はいつもと変わらず、大好きな「お絵かき三昧」です。
企業等もお休みで仕事も掴めそうにないので、この期間はひたすら作品作りをしていました。
そういえば、実は退職した翌日に、さっそくイラストに関する「依頼」を受けていたんですよ。
気になる内容は、同僚の子供にポスターの描き方を教えることです!
今回の記事は、その体験についてお話しすることと、「子供さんが驚かれた技法のこと」、「子供さんが勉強になった(っぽい感じ)」ことも書いていこうと思います。
夏休みも残り少ないですが、まだポスターを描かれていない子供さんにアドバイスできる内容があるかもしれません。
ぜひ、ご参考になさってください!
「6時間」でポスター2枚を完成させて欲しい
それは退職当日のこと。勤務期間中お世話になった先輩から、さっそくイラストに関する依頼を受けることになりました。
その内容は、「6時間で2枚のポスターを子供に描かせてほしい」とのこと。
「6時間で2枚!?」
…一瞬、思考がフリーズしてしまいました。
そうですよね、ポスターを1日で2枚描ける子って、そうそういないですよね…。
今回の子供さんは小学四年生だそうなんですが、他の日は部活動の練習が入っているらしく、どうしても8月1日、この日のうちに完成させたい、という希望そうです。
少々難しいミッションですが、「やってやれないことはない」ですよ…。
一応、人並みよりも「イラスト」に人生を捧げている人間ですからね。教えられることはそれなりにありますから…。
と、いうことで、喜んで依頼を受けました。
作業中にみんなで一緒に食べるお菓子を購入し、当日、先輩の家へと向かいます。
「交通安全」と「全国児童画コンクール」が題材
8月1日当日、さっそく作業に取り掛かります。
居住している地区の子供さんは、夏休みに最低2枚のポスターを描くように言われており、好きなコンテストを選んで描く、といった形式のようです、
4年生の子供さんとお母さんである私の先輩、私の3人で相談し、今回は「交通安全ポスター」と「全国児童画コンクール」を描くことになりました。
「全国児童画コンクール」とは、「株式会社シージーシージャパン」が毎年主催している、幼児~小学生対象のコンクールのことです。
私も昔、何枚か描いたことがあり、コンテスト名に聞き覚えはありました。(入賞には至りませんでしたが。)
大事なのは、「何を描きたいのか」
ここで、子供さんに楽しく描いてもらう方法は、「描きたいものを我慢せずに描いてもらう」ということです。
描きたくない題材を描くときは、どうしても集中力が途切れて、最後まで描きあげるのが難しいです。
そこで、前日に私の方から「描きたい絵の題材」について、宿題を出しておきました。当日、子供さんに伺ったところ、描きたい題材を決めていてくれていたので、構図はすんなり決まります。
先に、ポスターを描き終えた結果を話してしまいますが、好きなシーンを描けたたのでで、おかげさまでずっと集中してくれました。休憩時間以外をすべて絵描きに注ぎ、限られた時間内で2枚完成させることができました。
やっぱり、描きたいものがあると、集中力が持続するものなんですね!
子供さんに驚かれた技法
大人になってからは当たり前のようなことも、子供にとっては驚きの発見だったりしますよね。
その驚きに気づかされたことが度々ありましたので、その技法を紹介します。
主役を一回り大きくアップ
まずは、何を主役にさせたいのかを、明確に決めておきます。「サッカー」を描くときで例えると、「チーム全員」を均等な大きさで描くのではなく、主役にするポジションの子を決めて、その主役を一回り大きく描きます。
そうすれば、見ている側は「この子が主役なんだな!」と自然に理解してくれます。
さて、1枚目は、A3サイズの「交通安全ポスター」を描きました。
子供さんは「「ながらスマホ」をしている運転者が歩行者に気づかない」シーンを題材にして下書きを進めようとしますが、主役を決めきれず、案の定子供さんは「絵の構図」に悩んでしまいます。
そこで、子供さんに「主役」を絞ってもらうことにしました。この場合、考えられるのは、
●運転者
●運転者の手元(スマートフォン)
●歩行者
この3つが主役候補です。
結果的にお子さんが選んだのは「運転手の手元(スマートフォン)」でした。そして、この主役を他の者より一回り大きく描くことで主役となり、描きたい構図が最後までぶれることはほとんどありません。
どうしても構図が思い浮かばないのであれば、参考としてネット上から「画像を探して」見ることもありだと思います。
ただし、参考はありですが、「丸写し」は絶対ダメです!「著作権」絡みで違法になります。
リカバリーしやすいのが「不透明水彩」のいいところ
大人2人で手伝いながらも、下書きを終えることができました。次の色塗りでは、小学校でお馴染みの「不透明水彩」絵具で描いていきます。
この不透明水彩は便利なものでして、例え色をはみ出したとしても、少なめの水で溶いた白を上から塗って乾かし、塗りたい色を上から塗ることで、簡単にリカバリーすることができます。
しかも、今回のように限られた時間では、色塗りが最も時間がかかる工程。お子さんには多少の色のはみ出しは気にせずガシガシ塗ってもらい、後に「リカバリー」を行う戦法で塗っていきました。
透明水彩は色を薄く重ねることで絵を描いてく技法が主要の道具だから、そこへ、「はみ出しちゃった♪」と言って、不透明水彩のような白を重ねてしまうと、修正箇所が目立ち不自然な仕上がりになってしまうよ。(そういう表現方法もあるけれど)
だから小学校では、扱いやすい「不透明水彩」を渡すところが多いんじゃないかな。
「黒」を作るなら「黒」は混ぜるな
一番驚かれたのはこの技法でした。
2枚目の「児童画コンクール」を作る際は、「スポーツ」関係を題材にして、塗り進めていました。
少し暗めの色を作る際、子供さんが「黒」のチューブを混ぜようとしたので、提案として「別な色」を混ぜてもらったら、あら不思議。自然な黒色にすることができました。
彩度が低い緑色(抹茶のような色)を作る時に、「スカーレット」をちょっぴり混ぜましたが、子供は「赤を混ぜるの!?」って身を乗り出すほどの驚き。私としては新鮮な驚き用で、嬉しい出来事でした。
スポーツ用品のデザインや、はっきりとした色の組み合わせが特徴のロゴマークデザインなど、はっきりとしたポスターを作るなら、黒チューブから出した色を加えて、塗っていくのもいいでしょう。
しかし、今回の題材は「屋外でスポーツをしている風景」。今表現しようとした、暗い色の草原を表すためには、自然により近い色合いが好ましいです。
ですので、
そのまんまチューブから出した緑に、
そのまんまの黒を混ぜるのではなく、
「補色」になる色をちょっと混ぜることにより、自然に暗い色を表現することができます。
「補色」とは
混合して無彩色を作れる2色の有彩色の組み合わせを互いに補色(ほしょく、英: complementary color)であるという。余色、対照色、反対色ともいう。
引用元:Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%9C%E8%89%B2)
チューブの黒って、人工的に作った黒色なので、風景画でそのまま使用すると、違和感を感じてしまうんですよね。
そこで、先ほどの技法で、塗りたい緑の補色となる赤色をちょっと加えることにより、影のような自然な暗い色を作ることができました。
使った色を「影」に再利用
先ほどの技法の続きになりますが、風景画の影部分を塗る時は、最初に塗りたい色で塗った後、その色に補色を混ぜることによって、新たに色を作ることなくそのまま「影」の色として使用することができます。
このおかげで、パレットに出した色を無駄にすることなく、使い切ることが可能です。
絵の具1本の値段は「ハンバーガー1個以上」です。それなりの値段なので、無駄なく使っていきましょう。
子供さんが既に習得していた「大事なこと」
「おお、よくご存じで」というようなやり方を、逆に子供が知っていたこともありました。
それは、「いい区切りごとに、絵を遠くから離れて見てみる」ことです。
特に子供さんの場合に当てはまりますが、絵を描いている時は、終始手元しか見ていなかったりします。時には、絵を遠くから見て全体図を確認してみないと、顔の形が歪んでいたり、変な色使いのまま作業が進んでしまい、後から「失敗した!でも直せない!」という事態になりえます。
先輩の子供さんは、学校の先生からこの技法を既に教えてもらっていたみたいですね。
素早く裏返しされても狂いを一瞬で見定められないし、なによりも、裏返す際にポスターが曲がる可能性があるし…。)
…こうして、アドバイスを施したり、時にはお母さんに手伝ってもらいながら、約6時間で2枚のポスターを描くことができました!
良かった、その日に描き終えることができました!
審査基準は「絵の上手さではない」
「為せば成る」ものなんですね。サイズのでかいポスターを、1日で2つも完成させることができましたし、なによりも子供さんの集中力に賞賛です。
傍から見たら、標準的な絵の上手さではありますが、実は子供さんの絵の場合、コンクールの審査基準は「絵の上手さではない」ことがほとんどです。
参考として、「全国児童画コンクール」の審査基準について紹介しますが、「”楽しかった思い出、感動的だったスポーツなど、心を揺り動かした思い出が表現されているか、自分らしく表せているか”」を、一番大事な基準として審査しているそうです。
全国児童画コンクールの審査委員長の総評(http://www.cgcjapan.co.jp/cgcgroups/csr/contest/work.html)
今回のポスターについても、子供さんには「描きたいもの」を一番優先して決めてもらい、その題材に合わせてアドバイスを施しました。
おかげで、子供さんも納得のいくポスターに仕上げることができました。
「これを表現したかった」と喜んでもらえた時の嬉しさときたら…!
絵の描き方を人に教えることなんて早々ない経験なので、今回の出来事はとてもいい経験になりました!
まとめ
いかだだったでしょうか?
ほぼ私の日記みたいになってしまいましたが、ひと夏の嬉しい体験を書き記したくて、今回はこの記事を書きました。
趣味や仕事としてイラストを描いていると、自分では「当たり前」だと思っていることでも、相手にとっては「初体験」な出来事がたくさんあるものなんですね。
今回の経験は、絵描きの経験がもろに活きてくる経験でした。
絵についてほとんど独学で勉強した私でさえも、子供さんのポスターを完成に導くことができますので、絵描きさんの中で私と同じような機会に巡り合えたら、ぜひ教えてあげてください!
相手はきっと喜びますよ!
では、今日はこの辺で終わりにさせて頂きます。
それでは!