この記事では、以下のことについて解説しています。
●自分よりも上手い人のイラストを見た時の「嫉妬」について
●嫉妬心を和らげる考え方
●人によっては、嫉妬心は制作の原動力になる?
無印かげひと(@kage86kagen)です!
「あの人のイラストが超絶うまい…」
「あいつ、SNSで「いいね」がたくさん付いているよな」
「あんなに上手ければ、幸せだろうな…」
絵を描かれているみなさんは、このような「嫉妬」という感情を一度は体験したことがあるのではないでしょうか?
SNSでは毎秒ごとに上手いイラストが投稿されていますし、友達同士で一緒に描き合う時も、どうしても自分の絵と比較してしまい、友達の絵の上手さに嫉妬してしまうこともあるかと思います。
どうしても他人とイラストを比べてしまい、歯ぎしりした思いがあるのではないでしょうか?
かく言う私も、今までたくさんの嫉妬をしてきました…。
そんな「嫉妬心を抑えようにも抑えきれない方」のために、本日はイラストを描く時の「嫉妬を少しでも和らげる考え方」を紹介していきたいと思います!
もくじ
そもそも嫉妬をするのは本能上仕方の無いこと

そもそも、この嫉妬心はどういった場合に湧くものなのでしょうか?様々な解釈はありますが、嫉妬心を説明する時となるとどうしても「ネガティブ」な意味で取り上げがちです。
嫉妬(しっと、英: Jealousy)とは、三者関係において、自分自身が愛する人が、別の人に心を寄せることを怖れ、その人をねたみ憎む感情である。
(中略)
現在では嫉妬という言葉は、従来において羨望という言葉にのみ用いられていた意味をも帯びるようになっている。引用元:Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AB%89%E5%A6%AC)
そもそもの「嫉妬」の意味を調べてみれば、「人間関係」の意味にグッとよった意味になるそうです。
ですが、私たちが一般的に使用している嫉妬の意味合いは、「羨望(自分以外の誰かが良いものを手に入れていて、それを楽しんでいることに対する怒り)」の意味が、「嫉妬」の意味となっているようですね。
残念ながら、他人がいる限り「嫉妬心」という感情が消えることはありません。むしろ、嫉妬することは本能上仕方の無いことです。聞くところによると、犬猫も嫉妬する時があるんだとか。
そうと分かっていても、嫉妬という感情は思うようにコントロールできませんよね。
ただ、コントロールはできなくとも、その嫉妬心を少しでも軽くすることはできる…。ということで、次項からイラストを描く際の嫉妬心を和らげる考え方についていくつか考察してみました。
嫉妬を少しでも和らげる考え方
目標の絵師さんと競い合わない
究極論から話してしまうと、自分が嫉妬しない領域まで上手くなるというのも一つの考え方だと思います。これに超したことはありませんが、この考え方はオススメしません。というよりも、現実的ではありません。
なぜなら、上手な絵師さんを目標年追いかけても、その目標の絵師さんも日々画力向上に励んでいるからです。
そのため、目標の絵師さんが描き続けている限り、「その人を追い越して上手くなって、自分の嫉妬心を消すぞ!」作戦は無理です。

ですので、目標の絵師さんと競い合うことは現実的ではありません(相手が描き続けている場合ですが)。逆に考えると、この戦いを避けることで嫉妬心も生み出されることはありません。
よって、「理想の〇〇先生のような画力を目指したい!」という目標は作ったとしても、その目標の相手と競わないことが、嫉妬心を生まない策の一つだと思います。
自分が描いた絵は、自分しか描けない
もう1つの考え方ですが、「自分が描いた絵は、自分しか描かない」と考えることです。
見落としがちなことですが、今描いている絵柄は自分だけしか描けません。例え上手すぎる絵師であっても、自分の描き方をそっくりそのまま表現することはできません。
もし、憧れの絵師さんの絵柄をそのままそっくり自分のものにしたい!という方がいたら話は別ですが、大抵の方は他人の絵柄になりたくない、自分の絵柄を持ちたい、と思うはずです。
自分のイラストを客観的によく観察してみると、自分にしか出せない線、自分にしかできない色がバリバリ出ていると思われます。
この自分の絵柄を大切にしていき、それにプラスして他の方のメイキング知識などを勉強し、コツコツと画力向上を図るといいでしょう。
嫉妬の原因を突きとめる

とはいえ、どうしても嫉妬心が消えない場合は、「嫉妬の原因をとことん突き止める」方法も一つの手だと思います。
嫉妬を抱いているということは、自分のイラストに何かしらのコンプレックスを抱いているということ。このコンプレックスを探し出し解決していけば、少しずつ嫉妬は解消できると思います。
- 「○○さんの絵で嫉妬してしまう」→なぜ?
- 「なぜなら、○○さんの色塗りが上手いから」→なぜ上手いの?
- 「おそらく、影の塗り方が自分とは違うから」→じゃあ影の塗り方を勉強しよう!
というように、「なぜ?なぜ?」と考え抜いていけば、3,4回目の「なぜ?」の時に嫉妬の原因にぶち当たることができます。
こうした自問自答方式をとれば、嫉妬心の根源を見つけることができるかもしれません。
私も、美麗で描き込み量が半端ないイラストに憧れを持ち、嫉妬心を抱いていた時期もありましたが、その嫉妬心を突き止めて見た結果、当時はどうやら「目」の描き方に憧れていたようですね。
その原因を元に目の描写を見直していったら、自分が納得のいく目の描き方をすることができるようになり、憧れ元のイラストに嫉妬することがなくなりました。
嫉妬が原動力になる場合もある

今まで紹介した「嫉妬」はネガティブな意味合いばかりでしたが、人によっては嫉妬心が原動力となり、逆に絵を描くモチベーションが逆に上がる場合があります。スポーツ界だと割とあるのではないでしょうか。
イラスト業界では、「みんな違ってみんないい!」ので、そもそも競い合う必要性が無いという意見もあります。実際、私も競い合いが苦手なので、「〇〇さんがこの世で一番上手い!」と決めつけることがないこの界隈が大好きです。
ただ、それだと自分の画力を向上させるためには刺激が足りないので、あえて「ライバル」を作って、まるで競い合うかのような感覚を持つといいかもしれませんね。良い意味で嫉妬をするのがいいかもしれません。
スポーツをやったことがある人がイラストの世界に飛び込むと、この心理が良い感じに働くと思います。
嫉妬の行き過ぎには要注意!

しかし、先ほどの「良い方に働く嫉妬」の場合でも思い過ぎは厳禁!何事も行き過ぎた考えはよくありません。
他人のイラストと比較しすぎぎて嫉妬し過ぎると、「私って、絵描きに向いていないのかな…」という考えがふとよぎってしまい、自信を無くしてしまうこともよくあります。
そうなると、「絵描きの向き不向き」で考えてしまい、悩み過ぎた結果、最悪筆を置いてしまう(イラストを描くのを辞める)ことも考えられます。
さらには、行き過ぎた嫉妬心が変な方向に働いてしまい、妬みの対象になった絵描きさんを執拗に批判したり、中傷したりすることは絶対にしてはいけません!自分の一方的な感情を他人に、押し付けるなんて言語道断です。
最近では、SNS上での誹謗中傷が世間的に大問題になっています。嫉妬心が凶器へと変わり他の方を攻撃することは、例えネット上であっても立派な暴力です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
自分よりも上手なイラストを見てしまうと「嫉妬」で胃が痛くなるかもしれませんが、この感情は考え方ひとつで少しでも和らげることができます。
逆に、この嫉妬心を活動の原動力に変えて、自身のイラスト技術を向上することだってできます。考え方ひとつで、自分を成長させることもできるんですね。
ただ、行き過ぎた嫉妬心は、時として悪い方向に傾く場合もあります。他人とイラストを比較し過ぎてしまい、その勢いで他人を誹謗中傷する行為は、「路上ですれ違った相手を後ろから殴る行為」と同じです。それだけは絶対に止めましょう!
絵を描いているみなさんも適度に嫉妬をしつつ、嫉妬を原動力に画力向上に努めるなどをして、素敵な絵描きライフを送ってください!
それでは!
P.S 参考書籍
絵描き特有の嫉妬に関する悩みについて解析した書籍も存在します。
以下の本では、そんな「嫉妬」についてプロのイラストレーターの解釈が載っていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください!