この記事の解説事項
●デジタルイラストを効率的かつ時短を図るための方法とは?
●「絵描き初心者だから…」という遠慮はせずに、今すぐ装備を整えた方がいい理由について
無印かげひと(@kage86kagen)です!
皆さんはペイントソフトでイラストを描く時、どれぐらいの作業時間で完成させていますか?
作業時間というのは絵柄や描き込み量によって大きく異なるものの、デジタルイラストは装備やソフトの機能次第で、作業時間を大幅に短縮することができます。作業を効率化することによって、短時間で完成させたり余った時間でより描き込み量を多くしたりすることも可能です。
また、それに伴って描くイラストの枚数も多くなっていくので、結果的に画力向上へと繋がることも…!?
今回は、「デジタルイラストをスピーディかつ効率的に描くためのおススメの装備&行動」についてご紹介したいと思います。
- イラスト制作の作業効率化を図りたい
- 自分の筆記スピードはこれ以上早くならないの…?
- デバイスを使って、より制作スピードを上げたい!
などなど、これらについてお悩みの方はぜひ当記事を参考にしてみてください!
もくじ
デジタルイラストは”筆記スピード”を調節できる

デジタルイラストを描かれる方に質問ですが、1枚につきどれぐらいの速さでイラストを完成させていますか?
おそらくですが、アナログ道具の「水彩絵の具」や「油絵」、「コピック」などと比べると、デジタルソフトで描いた方がより早く1枚を仕上げることが出来ると思います。
それに加え、デジタル環境で描くイラストは、工夫次第で作業効率を大きくアップすることができます。
制作時間が短くなることでのメリット

ところで、画力向上を図るためにはとにかく枚数をこなすことも大事ですが、「1枚1枚丁寧に描くこと」も同じくらい大事になってきます。
また、イラストが上手くなると同時に筆記スピードも加速していくと思いますが、画力が人並みよりも上手なライン(初心者~神絵師の中間あたり?)まで到達すると、自分自身の制作スピードの限界が見えてきてしまうものです。
そういった時には、「外部」の力を借りてみましょう!デジタルイラストをさらに効率的に描くための装備やソフトの機能をあらかじめ知っておけば、イラスト制作がより効率的かつ描くスピードも速くなり、
- 浮いた時間でさらにイラストを描ける
- イラスト1枚あたりの描き込み量をより多くする
こういったことが可能になります。
デジタルイラストを効率的に描く方法とは?

では、デジタルイラストをより効率的に描く方法とはどういった方法があるのでしょうか?「画力を上げる」という方法は一旦置いておいて、それ以外だと以下の方法が考えられます。
- パソコンのスペックを見直す
- ペイントソフトの機能を熟知する
- デバイスをつける
- ディスプレイを増やす
- ペンの持ち方を変えてみる
- 休む
では、次項から順を追って説明していきます。
パソコン自体を見直す

デジタルイラストを描くための肝の部分は「パソコン(もしくはノートPC、タブレット)」そのものになります。まずは、これらのスペックについてちゃんと把握しているかが重要です。
使用しているパソコン等のスペックが、ペイントソフトを起動するのに適していないかどうかを把握していないと、ペイントソフトをスムーズに立ち上げられなかったり、描く時の動作がもっさりすることがあります。また、後ほど説明するデバイス機器を備えたとしても、描くスピードが一向に上がらない可能性があります。
ただ、パソコンがあまり詳しくない人にとっては、そもそもどんなパソコン等を選べばいいのか迷ってしまいがち…。パソコンの詳細については専門サイトを見て頂きたいところですが、ざっくり説明すると、注目すべき機能は「メモリ」の数値になります。
パソコンやタブレットの「メモリ」は「主記憶装置」と呼ばれていて、「机の大きさ」としてよく例えられています。
机は大きければ大きいほど、本棚やゲーム機、飲み物やパソコンなどを同時にたくさん置くことができますが、机がまな板ぐらいの大きさだと、せいぜいA5ノートぐらいしか広げられないですよね…。
メモリはまさに「机の大きさ」みたいなものなので、ペイントソフトが推奨しているメモリの容量よりも小さい場合、ソフトを開くことすらままなりません。
一般的なペイントソフトは「4~8GB」以上のメモリが必要な場合が多いです。4GBは最低ラインなので、これ以上のメモリを搭載している機器が望ましいですね。
4GBの機器でペイントソフトを起動した場合、それを起動しただけでメモリを食べてしまうため、ブラウザや音楽再生ソフトを一緒に開きつつ作業することが難しかったりします。できたとしても、イラストを描く時のペンの動作がカックカクになったり、「バケツ塗り」で色を塗るだけなのに10秒かかる…なんて事も…。
そのため、各ペイントソフトは「8GB」、予算に余裕があれば「16GB」の容量を持つパソコン等で使用することを推奨しています。
そもそものやる気を削がれないためにも、デジタルイラストをスピーディに描く基盤としてまずは「使用する機器のスペック」を確認し、スペックが悪そうだったら買い替えたり、部品の交換ができる機器であればメモリの容量を増やしたりすることをおススメします。
下記リンク先は、CLIP STUDIO PAINTで描くときの推奨スペック一覧になります。( Windows、macOSの両方が載っています)
CLIP STUDIO PAINT 動作環境(CLIP STUDIO PAINT公式サイト)
ちなみに、パソコン以外で描く手段だと「i pad」も強くおススメします。数年前からは、クリスタやillustratorなどといった大手のペイントソフトのipad専用のアプリも公開されています。
管理人も外出先ではiPadでお絵かきしますが、動作はPCに負けず劣らずペンがサクサク進みます。ストレスなく描くことができるので、「PCはハードルが高いかな…」と思う方は、まずはiPadを選んでみるのもいいのではないでしょうか?
最近は、iPad単体のみで絵を描いているプロのイラストレーターも増えてきています。しかも、クリスタよりも安いペイントソフト「Procreate」で描いている人が結構多いです。
ペイントソフトを熟知する
時短を図るためには、ペイントソフトの機能についてもある程度勉強することが重要です。例えば、ペンや消しゴムを1挙動で呼び出すことができるショートカットキーを駆使すると、かなりの時間短縮を図ることができます。
また、ショートカットキー以外の話になると、使用しているペイントソフトによっては便利なサポート機能もたくさん存在しているので、その機能を知っておくのも制作の効率化に繋がります。
例えば、「フォルダー内のレイヤーの色を一気に変更したい!」というのであれば、クリスタの場合「新規色調補正レイヤー」というものをフォルダ自身にくっつけることにより、フォルダー内のレイヤーの色を一気に暗くしたり、一気に色相を変えることもできます。

管理人の場合、クリスタを使っておよそ6年になりますが、つい最近になってやっと3D機能を活用するようになりました。使ってみたら分かる、かなり便利なやつです。なんで今まで食わず嫌いしていたんでしょう…。
自分が知らない機能をいざ使用しようと思う事は、勉強をしようとしてもその初めの一歩が中々踏み出せないものです。ですが、これをなんとか頑張って乗り越えることによって便利な知識を得ることができ、制作作業のさらなる効率化を図ることができます。
長年使用しているソフトであっても、振り返ってみると「便利なのにまったく使用していなかった!」という機能もあるかもしれませんので、これを機会に復習してみてはいかがでしょうか?
デバイスをつける
ショートカットキーを使用するのであれば、デバイス機器を繋げてそのデバイスにショートカットキーを割り当てて使用することをお勧めします。こちらは、ペンタブ利用者には特におススメです。
俗に「左手デバイス」という名前で知れ渡っていますが、このデバイス機器を使用する理由は、ペンを持っていない方の手で「アンドゥ」や「ブラシの呼び出し」、さらには「保存」や「書き出し」といったショートカットキーをワンボタンで使用することが目的です。
使用者ならご存じかと思いますが、このデバイス機器がまぁ本当に素晴らしくて、デバイスを使うことで、イラストの制作時間を大幅に短縮することができます。
管理人はゲーミング機器のRazerのTartarus Proを使用しており、下記の画像のようにショートカットキーを割り振っています。

「こんなにショートカットキーを割り当てて、途中で忘れたりなんかしないの?」と思われがちですが、最初は確かに覚えるのに苦戦します。ですが、使っていくうちにノールックでも操作できるようになるので、そうなったらこっちのものです。
CELSYS CLIP STUDIO TABMATE 500062
もし、左手デバイスを使う時にどうしてもキーの位置が覚えられない方は、
- 左手デバイスのキーに「タグシール」を貼り付けてそのキーに割り当てた機能を書いておく(シールは100均にいい感じのものがあります)
- 幅が大きめの付箋に割り当てているキーを一覧にして書いておき、それをデスクトップの隅に貼り付けおく
慣れるまではこんな感じの方法をとってみるのもいいかもしれませんね。
ディスプレイをもう一つつける
こちらは特にプロとして描いている方におススメですが、ディスプレイをもう一つ設置することも時短の手段の一つです。
イラストを描く時というのは、必ず参考資料を見ながら描かれると思います。その参考資料を見る手段としては、
- スマホに映し出す
- 本を見ながら描く
- 逐一画面を切り替えて参考資料を見る
こんな方法で見ている方が多いと思いますが、スマホの画面の大きさでは小さすぎますし、他の媒体を参考にしながら見るのもかなり手間だと思います。
そんな時はもう一つモニターを接続する、いわゆる「デュアルディスプレイ」で作業するのが非常に効率的です。

モニターをもう一つくっつけることにより、メインモニターで絵を描き、サブモニターで参考資料を表示することが可能になります。
サブ画面に参考資料を表示できると、いちいちスマホに顔を近づけて確認する必要もないですし、本を広げるための机の場所も取る必要がありません。参考資料をストレスなく見ながら描くことができるようになります。
デュアルディスプレイを付ける場合、個人的には「縦回転」できるタイプのディスプレイをおススメします。もし、横画面のままメイン画面と一緒に並べて置くと、机の広さによってはかえって場所を取ってしまうかもしれません。また、縦画面にして置くことで、画面の上から下まで複数の資料を展開することができます。
うまく画面を活用すれば、一気に10枚以上の参考資料を並べることもできます。
ペンの持ち方
意外かもしれませんが、液タブやペンタブで描く時のペンの握り方でも時間短縮を図ることができます。
鉛筆やペンを持つときには「正しい持ち方」という持ち方を学んできた方が多いため、デジタルイラストを描くときにも「正しい持ち方」で描いている方が多いかもしれません。
描く分にはこの持ち方でも問題はありませんが、さらにペン先をスイスイ運ばせたい時には、「親指をペンに乗っける持ち方」の方がかなり描きやすいです!(個人的には)

「正しい持ち方」で線を引くとなると、親指の第一関節を曲げないと描けないため、ペン先の可動域が自然と狭い状態です。
対して「親指をペンに乗っける持ち方」は、「正しい持ち方」のように親指を曲げることがありません。そのため、ペン先を90度あたりまで可動域を確保することができます。これにより、ペン先の可動域が大幅に広くなって線を一筆引く時のストロークを伸ばすことができます。
例えば「長い髪」を描く時は、一筆のストロークが長ければ長いほど綺麗な線画描きやすいですよね。長い髪のような「長い線」を引く時にはかなり重宝する持ち方です。
ただし、持ち方を矯正するのは個人によって期間を要します。持ち方を矯正しようと考えている方は、イラストのお仕事具合と相談し、影響のない時に練習して矯正した方が良いかもしれません。
休む

パソコンの動作環境を見直す以前に、休むという行動も非常に大事です。同じ作業を長時間ぶっつづけてやると、集中力が途切れてダレてしまい、制作スピードも急降下してしまいます。
また、長時間同じ体制で絵を描くこと自体も健康に非常に悪いです。集中力と健康を鑑みると、最低でも1時間に1回は立ち上がって休憩することをお勧めします。
適度に休憩を取ることより、空っぽになった集中力を取り戻すことも可能です。先ほどの1時間に1回休憩に関しては下記の本からインプットしたので、良かったらぜひ試してみてください。
「初心者だから…」という変な遠慮は不要

さて、ここまでは「デジタルイラストをスピーディに描くためのおススメの装備&行動」について紹介してきました。振り返ってみると、「ペンの持ち方を変える」と「休む」以外は全てお金が絡む方法にはなってきますよね…。
しかし、絵描き初心者の方こそ初めのうちにそれなりに良い機器をそろえておいた方がおススメです。
「でも、私は絵を描き始めたばかりだから、お金をかけるなんておこがましい…」
「もう少し上手くなったら買うつもりでいる…」
こんな風に考えてしまいがちですが、もし手持ちのお金に余裕があるのであれば、購入を先送りにするよりも「今」購入して装備を整えた方が結果的に画力の上達速度も早くなります。
例えば、現在手持ちに「PC用のディスプレイ1個」を買えるお金を持っている場合、今すぐ購入して装備するのと、ある程度上手くなると思われる3ヶ月後に購入する…。
どちらの方が効率的でしょうか?
個人的におススメなのは前者の方になります。なぜなら、今すぐ装備を整えることができる=今すぐ作業効率を上げる事に繋がるので、購入する3ヶ月を待つことなく画力上達に活かすことができるからです。
もちろん、こればかりは自分の懐事情と相談しないといけませんが、お金はあるのに「3ヶ月後に買う」ことを決めるのは、時間がかなりもったいないです。本気でイラストを仕事にしていきたいのであれば、「時間」を最優先してすぐに購入し、それを活用してガリガリ練習していきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「デジタルイラストをスピーディかつ効率的に描くためのおススメの装備&行動」についてご紹介しました。
デジタルイラストはアナログと違い、使用する機器によっては作業時間を大幅に短縮することが可能です。効率化を図ることが出来る部分としては、下記の項目があります。
- パソコン等の機能を見直す
- ペイントソフトを熟知する
- デバイスをつける
- ディスプレイをもう一つつける
- ペンの持ち方
- 休む
「ペンの持ち方を変える」と「休む」以外はどうしても”お金”必要の為、最終的に個人の懐事情次第にはなってしまいますが、もし、手持ちに機器を買うお金があるのに「上手くなったら買うことにしよう」と考えているのであれば、今すぐ購入してその機器を存分に使用する方が、より効率的に作業スピードをあげることがきます。
今回紹介した各機器については本ブログでも詳しく説明していますので、気になった方はぜひ参考にしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!