この記事では、以下のことについて解説しています。
●「カラーコーディネーター」という民間の資格について
●「カラーコーディネーター3級」を実際に受けてみた
●資格を取ることによって得られるスキル
こんにちは!無印かげひと(@kage86kagen)です。
新型コロナウイルスにより「自宅待機」要請が出ている中、みなさんはどうお過ごしでしょうか?
私の場合、出勤以外は基本的に家でイラストを描いているので、自宅待機の要請が出る前と出た後では、さほどライフスタイルは変わっていません。
ですが、昨年から「GWはどこか旅行に行こうかな?」と考えていましたが、その矢先に起きた今回の災害・・・。
どこにも出かけられないとなると、さすがの私も堪えます。
今は自宅待機せざるを得ませんが、これを逆手に取って自分磨きのため「自己投資」をするいい機会でもあります。
そこで今回は、クリエイターさんの手助けになるかも?「カラーコーディネーター®」の取得のススメについて、体験談を含めて紹介したいと思います。
この資格、イラスト制作にあたって思った以上に役立つかもしれませんよ!
もくじ
カラーコーディネーターとは?
カラーコーディネーターとは、「東京商工会議所」が商標登録している民間の検定試験です。
主に、商業、ビジネスに関する「色彩」知識を持っていることを表す資格になります。
カラーコーディネーター検定試験では、色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることで、色の持つ効果をビジネスシーンに活かすことができます。
引用元:東京商工会議所「カラーコーディネーター検定試験」(https://www.kentei.org/color/about/index.html)
この資格を取得できれば、堂々と「カラーアドバイザー」や「カラーコンサルタント」を名乗ることができるのです。
かといって、「クリエイターにはこの資格が必須!」…や、「この資格があるかどうかで、会社の採用を決めている!」と言うわけではありません。
あくまでも、「知識を持っていますよー」と言うことに過ぎませんので、あしからず。それを活かせるかは本人次第です。
カラーコーディネーターは何級まであるの?
私も昨年「カラーコーディネーターの3級」を受けまして、見事「3級」を取得することができました!
いいえ、それがですね、このカラーコーディネーターは2020年度から「大幅な内容の変更」がありまして、
1級~3級と言った級数ごとの区分が無くなり、「スタンダードクラス」と「アドバンスクラス」の2つの区分になりました。
それは大丈夫です。2019年以前に資格を取得した人は、取得時の級数がそのまま活かされています。
2020年度から取得した人から、先ほどの2つの試験を選ぶことができ、合格すれば晴れてそのクラスを取得することになります。
ちなみに、「スタンダードクラス」は変更前で言う「2級、3級」に該当し、「アドバンスクラス」は「1級」に該当します。
試験日数について
カラーコーディネーターの試験は、年2回あります。毎年6月、11月(12月)付近で試験を行っているようですね。
私も、昨年の12月初めに試験を受けてきました。
申し込み開始は、試験日の約2ヶ月前です。クラスごとに料金は異なります。
スタンダードクラスは 5,500円(税込)
アドバンスクラスは 7,700円(税込)となっています。
(2020年4月現在)
試験内容が載っているテキストも販売していますにで、公式から購入するか、別の出版社のテキストを購入するか、お好きな方をお選びください。
尚、新型コロナウイルス関連で、2020年6月7日(日)第48回の試験は中止となりました。次回は、2020年11月29日(日)です。
試験内容について
気になる試験内容ですが、スタンダードクラスだと、主に色に関する基本的な知識が出題されます。
例えば、色のはたらきと心理について、色を表す方法(マンセル表色系とか、PCCSについてなど)、デザインの仕方(配色方法)、色を再現する方法(CMYKとかRGBについて)といった、内容が出題されます。
アドバンスクラスになると、これを踏まえた業務の実務に関する内容が出題されます。先ほどもいいましたが、こちらはかなり難しいらしいです。
せっかくなので、次回はこの「アドバンスクラス」に挑戦してみたいですね。
カラーコーディネーターの詳細については、東京商工会議所のHPをご覧ください。
出題範囲、試験会場、合格基準などが載っています。
カラーコーディネーター3級を実際に受けてみた
さて、ここからは3級取得までの道のりをご紹介します。
2019年12月1日開催の試験に申し込み
2019年の7月に退職を決め、本格的にイラストレーターを目指すにあたり、「ビジネスで活用できる色の知識を身に付けたい」、「画力アップのため色について勉強したい」という動機がきっかけで、10月に試験に申し込みました。
管理人は高校3年間、週の半分を「美術」の授業で過ごしたことがあり、色に関する勉強はこれっきりかな?って思っていましたが、その数年後にまた「色」に関する勉強をするとは思っていませんでした。
でも、今まで習った色の知識はきれいさっぱり忘れていました。
3級の試験内容を見てみたものの、「あーなんとなくやった覚えがあるなー」っていう程度だったので、実質一から勉強です。
というわけで、およそ2ヶ月間の勉強の始まりです。
試験内容は項目ごとによって理解しやすさが違う
当時受験した3級の試験内容は、大項目でいうと8項目ありました。
色の基本から始まり、「色と光の関係」、「色を見る眼と脳について」、果ては「色と文化の歴史について」などなど。
色の基本についてはまあ分かりました。色と文化の歴史についても、昔の文化を勉強することは割と好きだったので、これも取っつきやすかったです。
ですが、「色彩調和論」とか「色を測る方法」などについては、めっきり覚えにくかったです。
「カラーオーダーシステムってなに!?」「オストワルトさんって、どちら様!?」っていう状況です。
まあ、そういう状況でした。
勉強方法についてですが、とにかく単語や人物が分からなかったので、読んで書いて調べてをひたすら繰り返しました。
要領がいい方ならもっと効率のいい勉強方法があると思いますが、凡人の私は、こんな感じで2ヶ月間勉強しました。
もちろん、仕事は毎日あります。なので、割と無理して勉強時間を作りました。
勉強時間は、平日は朝出勤前の15~30分間。休日も30分間勉強。これをほぼ毎日、2ヶ月間行いました。
いざ、試験開始!
そして、ついに試験日を迎えました。
試験会場は、車で2時間半かかる場所にありましたので、自家用車でいざ出発。ですが、行ったことがない土地だったので、途中で道に迷いました(笑)
カーナビをなんとか駆使して会場にたどり着いた時には、なんと10分遅刻していました。
「普通の試験だったら、もう入場できないよね?」と絶望・・・。もうほんと泣きそうになりながらも、引き返すわけにはいかないので、恐る恐る試験会場に入場。
試験会場では、既に試験の説明が始まっていたものの、優しい試験官が手招きしてくれたので、なんとか試験を受けることができました…!
今回の受験者は、私を含め数人しかいませんでした。周りの受験生さんは、雰囲気的に学生か、社会人出たてみたいでした。
試験時間は2時間。いざ試験に挑みましたが、思った以上に問題が解けやすかったので、退出許可時間と同時に退出しました。
そして、帰り際に、試験官に遅刻したことへのお詫びと感謝の言葉を並べて、ゆっくり帰路についたとさ。
試験から3週間後に合格発表
合否については、受験した3週間後に合格発表の通知が届きました。
受験番号を控えている方はインターネット上で少し早く合否を確認することができますが、試験から帰ってきた日、あまりにも疲弊した私はその受験番号をどこかに紛失してたみたいです。
試験を受けたことすらも忘れたころに、自宅に配達物が。
中身を確認してみたら、なんと合格!(ただし、ぎりちょんだった。)
合格しているか自信が無かったのですが、「合格」の文字を見た瞬間、飛び上がって喜びました!
そして、郵便物と一緒に届いたものがこちら!
想像以上に、ちゃんと「免許証」っぽいかっちりとしたカードを頂きました!
見てください!称号に「アシスタント・カラーコーディネーター」の文字がありますよ!
私の場合、色彩に関する仕事をしておらず、本当にただの肩書となっていますが、晴れて私も「カラーコーディネーター」を名乗ることができました!おこがましい気持ちでいっぱいですが、素直に嬉しいです。
ほんとそれです。もう死ぬかと思いました…。
ちなみに3級の合格者は67%
意外でしたが、私が受けた12月の受験者のうち、合格者は全国で67%だったということです。
3級は簡単だと聞いていたので合格率はもっと上かな?と思っていましたが、そうでもないみたいですね。
やっぱり、ちゃんと勉強していれば合格できるということです。本人の努力次第ですね。
試験を受けて気づいたこと
今回、初めてカラーコーディネーターを受験しましたが、別にこの資格がなくともイラストで仕事を得ることができます。むしろイラストレーターの方で、意識的にこの資格を保有している方は少ないのではないでしょうか?
そこで気づいたことですが、カラーコーディネーターは「資格を保有していること」に価値があるのではなく、その試験を受けるための「試験内容」がとても重要だと感じました。
色に関しては素人同然の私でしたが、今回の勉強でビジネスで活用できる「色に関する知識」をたくさん学ぶことができました。
たとえば、私が毛嫌いした「カラーオーダーシステム」という内容についてですが、このシステムは4種類あり、考案者によってシステムが分かれいます。
簡単に説明すると、このシステムは「物体色を順序良く配列して、使いやすい、調べやすいように配列した色の表」を指します。
これからイラストで仕事をしていくにあたって、このカラーオーダーシステムは、依頼業者と調整する際に大事な内容となります。(多分大事ですよね?)
こういうビジネスに関する色知識を学ぶことができましたので、受験したこと自体に大きな収穫がありました。
また、普段イラストを描くときにも、「この背景だったら、人物の色はこれがいいな・・・」と、一呼吸おいて色の配列を考えることができるようになり、画力向上に繋がりました。
その結果として、多くの公募に入賞することが出来たと思っています。
このカラーコーディネーターは、予想以上にイラストの画力アップに繋がります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は長くなりましたが、「カラーコーディネーター」がイラスト作成において役立つかどうかを紹介してきました。
(どちらかというと、「カラーコーディネーター」とは?といった内容になってしまいましたが。)
まずは、カラーコーディネーターとは、試験内容、試験日等について紹介しました。
昨年の12月に私も受験しまして、見事「3級」を取得することができました。
勉強時間についてですが、私を例にすると1日15分~30分、これを2ヶ月間続けて「ぎりぎり」合格でしたので、これ以上に勉強すれば、余裕で合格できると思います。
このカラーコーディネーターは、予想以上にイラスト制作で活用できています。
「この背景だったら、人物の色はこれがいいな…」と深く考えることができるようになり、画力がアップした手ごたえを感じています。
これは、カラーコーディネーターの試験内容にあった「色の配列」を勉強したおかげだと思っています。
自宅待機要請中の最中、自己投資のため、画力アップのために、ぜひ、「カラーコーディネーター」について勉強してみてはいかがだったでしょうか?
次回の試験日は、2020年11月29日(日)になります。申し込みは9月15日(火)~2020年10月16日(金)になりますので、この機会にぜひ受験してみてください!
詳細はこちらから→東京商工会議所 カラーコーディネーター検定試験
参考書はこちらになります。
●スタンダードクラス↓
では、今日はこの辺で。
それでは!